【回顧・現代を問う(4)】国歌を斉唱しない学校 米占領政策から抜け出ない教育…待たれる日本独自の体制作り(岡山学芸館高・清秀中学園長 森靖喜) 産経新聞は4月2日(注・平成27年)、1面トップで『奈良教育大学付属中の入学・卒業式』で国歌を永年に渡り、斉唱していないと伝えた。学校側は付属中の伝統を継承したという。平成11年、国旗国歌法が制定され、学習指導要領(法的拘束力あり)で国旗掲揚・国歌斉唱の指導を明記しているにもかかわらず、国立の教育大学が、このようなありさまなのである。 マッカーサー占領軍による「日本解体」 春はさまざまな教員研修の時期でもある。筆者は毎年、初任者研修などの講師を務めている。受講者のほとんどは『アメリカ教育使節団報告書』(以下「報告書」)の存在を知らない。実は「国歌斉唱をしない」という教育観は、この「報告書」が命じたものである。報告書は敗戦直後の昭和21年3月、マッカ