「子どもや若者の読書離れ」を嘆く大人が多いけど、実は違うんです。子どもや若者はちゃんと読んでいる。なら、どんな本を? 注目の新書「『若者の読書離れ』というウソ」の著者、飯田一史さんに聞いた、今どきの子どもやZ世代の読書実態とは……。【小国綾子・オピニオン編集部】 「読書離れ」どころかV字回復 ――著書のタイトルにびっくりしました。「若者の読書離れ」って本当にウソなんですか。 ◆ウソ、です。本好きの大人が感じる「自分と同じくらいの量を子どもが読まない」、あるいは「大人が望むような本を子どもが読まない」のと、「子どもが本を読まない」のとはまったく違います。そこが混同されているから、「若者の本離れ」が叫ばれる。「若者の読書離れ」を嘆く大人は、現実を見ていないと思います。 「本離れ」は過去の話です。今、小中学生はむしろ本をよく読んでいるし、高校生や大学生世代など若者の読書冊数も減ってはいないのです