Illustration: Emil Lendof / The Wall Street Journal, Paramount, Universal LLUSTRATION: EMIL LENDOF/THE WALL STREET JOURNAL, PARAMOUNT, UNIVERSAL
子供を外食に連れていくべきか、否か。日本でも賛否両論あるテーマだろう。フランスの親たちも「子供たちに食事の楽しさを教えたい」気持ちと、「せっかくのディナーを台無しにするかもしれない」リスクとの間で、ジレンマに陥っている。 先日のこと。パートナーの誕生日に、二人で洒落たレストランに出かけた。誰もが控えめな声で話す、ベージュで統一されたシックな空間のなかで、私たちの近くに一組の家族が座っていた。父親、母親、4歳くらいの男の子。時刻は20時15分、明らかに彼らは食事──5〜7皿の提供があるコース──に手をつけはじめたばかり。私には彼らが、まったくもって場違いに思えた。 4歳児にとって、2時間テーブルに座りっぱなしで、生ウニ(たしかに美味しいが)や、リー・ド・ヴォー(註:子牛の胸腺)(これも美味)が次々現れる食事は、退屈の極みではないだろうか。両親はタブレットという名の最終兵器を取り出すと、デザー
痛ましい事故や事件が絶えないにもかかわらず、米国人はなぜ銃を手にするのだろうか? 銃を持つことが権利として認められている米国で人々がこの武器に手を伸ばす理由を、米紙「ニューヨーク・タイムズ」が心理学的な視点から読み解いた。 2020年、新型コロナの感染拡大によって多くの地域がロックダウンされ、抗議デモが街頭にあふれ、経済不安と社会的孤立が深まった。 そうしたなか、米国人がこぞって買い漁ったものがある。銃だ。 その年、銃の販売数は約2200万丁と、2019年から64%増を記録した。銃器産業の業界団体である全米射撃協会によれば、そのうち800万丁以上が、それまで銃を所有したことのない人に売られたという。 同年、銃による殺人件数も、2019年の1万4392件から1万9350件に増加した。自殺を含む銃による死亡者数は、2019年の3万9702人から4万5222人に増えた。2021年には銃による死亡
中東ではない「文明化された国」で ロシアによるウクライナ侵攻は世界を震撼させ、各国メディアはウクライナ一色になった。だがその報じ方に、「不快なトーン」が混じっていると指摘する声も上がっている。 それは、ウクライナをイラクやアフガニスタンなどの中東と比べたうえで、より「文明化された国」という文脈に落とし込もうとするものだ。 米「CBSニュース」のベテラン戦争特派員チャーリー・ダガタは2月25日、ウクライナの首都キエフからこうリポートした。 「ウクライナは、失礼ながら紛争が何十年も続くイラクやアフガニスタンとは違います。ここは比較的文明化した、比較的ヨーロッパ的な国なのです。慎重に言葉を選ぶ必要はありますが、ここはこんなことが起こるなんて想像できなかった場所なのです」 “Civilized” pic.twitter.com/AiU7uVmjMr — Imraan Siddiqi (@imraa
認知心理学の世界的権威が考える「2021年の世界」 スティーブン・ピンカー「米国が進歩的な世界のリーダーになれるとは思っていない」 スティーブン・ピンカー カナダ・モントリオール生まれ。アメリカの実験心理学者、認知心理学者でありハーバード大学で心理学教授。『言語を生みだす本能』『心の仕組み』『人間の本性を考える』などの著書で知られる心理学の世界的権威。 Photo: Kayana Szymczak / The New York Times 認知心理学の世界的権威であるスティーブン・ピンカーは、米大統領選までの数週間、さまざまなメディアのニュースをSNSに投稿してきた。どうすればフェイクニュースの拡散を防げるかや、一票の重要性についてなど、彼が興味深いと思う話題を取り上げている。 そんな彼のSNSを見ていると、トランプが開票作業を停止させるために嘘をつき、焦っているのを前に、苛立ちを募らせて
11月6日に迫った米中間選挙で最も注目される戦いの一つが、テキサス州の上院議員選だ。現職の共和党候補テッド・クルーズの圧勝と思われていた同州で、「オバマの再来」とも呼ばれる民主党のベト・オルークが猛追をみせている。 過去20年以上にわたり、共和党の牙城であるテキサスで民主党候補が勝ったことはない。それだけ保守が優勢を誇る地盤で、オルークは歴史を変えることができるのか──。地元紙の元コラムニストが、真っ赤に染まったテキサスの現実を、「ワシントン・ポスト」に綴った。 「負け組」リベラルの諦めモード 2013年6月25日、私はテキサス州議会議事堂に駆けつけ、フィリバスター(議事進行妨害)の応援をしていた。ウェンディー・デービス州上院議員が11時間も演説を続けて中絶制限法案を葬った歴史的な1日だった。 私は傍聴席に詰めかけた何百人ものリベラル派の仲間たちと熱狂した。真夜中を過ぎて、フィリバスターが
ナンパをすることで、男に一目置かれようとする男たち ──ナンパ師たちを対象にフィールドワークをしたことがあるそうですが、それはどのような経験でしたか? このフィールドワークのことを書いた本を2017年3月に出版します。書名は『Alpha Male』なので、書かれている内容は、だいたい想像できますよね。ただし、この本には、「女性を誘惑することで、男を上げようとする男性たち」という副題がついています。 私がこの本で示したのは、「ピックアップ・アーティスト(PUA)」と呼ばれるナンパ師たちにとって、ナンパの目的は、単に女性を誘惑することだけではない、ということです。 実は、彼らの目的は、女性を誘惑することを通して、ほかの男性から「すごい男」だと認められることでもあるのです。 ナンパ師の集団を対象にフィールドワークをしてみると、私は紅一点状態でした。3年という長い時間を、彼らと一緒に過ごし、ナンパ
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