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映画に関するstonedloveのブックマーク (800)

  • 「父は憶えている」 - 映画貧乏日記

    「父は憶えている」 2023年12月4日(月)新宿武蔵野館にて。午後3時5分より鑑賞(スクリーン2/C-4) ~記憶を失い帰ってきた父。喜びと戸惑いの果てに人々が見たものは キルギスと言われてもピンとこない。正直、どこにあるのかもよくわからない。中央アジアの国で、旧ソ連に属していたことは何となく知っているが……。 そのキルギスのアクタン・アリム・クバト監督は、世界的に知られた監督らしい。私は未見だが、「あの娘と自転車に乗って」「明りを灯す人」「馬を放つ」などの代表作がある。 クバト監督が、自ら主演も務めた映画が「父は憶えている」だ。クバト(ミルラン・アブディカリコフ)という青年が、父のザールク(アクタン・アリム・クバト)を連れて村に戻ってくる。ザールクはロシアに出稼ぎに行ったまま行方不明になり、23年ぶりに村に戻ってきたのだ。 しかしザールクは記憶を失っていて、言葉も発しない。家族と村人た

    「父は憶えている」 - 映画貧乏日記
  • 【FUCK①】生活支援員が観た映画「月」評~前編~|東京ニトロ

    はじめにこんにちは。東京ニトロです。 趣味で(パニック)小説を書いたり漫画を描いたりしながら、現実世界では(日中生活支援と施設入所支援を行う施設で)生活支援員というお仕事をしています。生活支援員というのは、障害を持った方の自立した生活のためにお手伝いをしたり、社会復帰や参画に向けた創作や生産活動に関わるお仕事です。(ここで注意なのですが、「自立」というのは「誰」(または「何」)の手助けも借りないという意味ではありません)ちょうどコロナ禍が始まる頃に入職したので、勤続4年になります。わたくしは自他ともに認めるジョブホッパーなのですが、昨年度は障害者援助専門員の資格を取り、来年は社会福祉士に挑戦するなど、長く働く気マンマンです。 そんな現役の生活支援員であるわたくしが、宮沢りえ・オダギリジョー主演で、実際にあった障害者施設での事件をモデルにした映画「月」を観てきたのでレビューしたいと思います!

    【FUCK①】生活支援員が観た映画「月」評~前編~|東京ニトロ
  • 【FUCK②③】生活支援員が観た映画「月」評~後編~|東京ニトロ

    ※【前編】はこちら ※クソ長くなります FUCK①振り返りと補足~ほんとうの支援の現実を教えてやるよ~物語は新人支援員・堂島洋子(宮沢りえ)の視点で進む。かつて有名小説家だった洋子には3歳で亡くなった息子がおり、息子にも障害があったことがほのめかされる。夫(オダギリジョー)は売れないアニメーション作家で、ふたりとも息子の死を克服できないでいる。洋子は森の奥にある障害者施設で働きはじめるが、そこで障害者支援の「現実」を知りショックを受ける。特に「きーちゃん」と呼ばれる寝たきりの入所者は意思疎通が困難で、洋子は「人間とは」という問に苦しむことになる。そこで出会った男性職員の「さとくん」(磯村勇斗)は、最初は入所者に親身に接していたが、同僚のハラスメントや虐待行為、上司の無理解から追い詰められ、やがて優生思想を口にするようになる。そんななか、洋子は妊娠が発覚。高齢出産に伴うリスク回避のため出生前

    【FUCK②③】生活支援員が観た映画「月」評~後編~|東京ニトロ
  • 「僕たちは民衆なのに、権力者目線で戦争を語りすぎている」戦争の痛みを描き続ける塚本晋也監督が『ほかげ』と森山未來に託した平和への祈り | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい

    ──『野火』(2014)、『斬、』(2018)に続き、監督は新作『ほかげ』(2023)でも戦争の痛みを描いていますが、作について「どうしても作らずにはいれなかった祈りの映画」だとコメントされていますね? 塚晋也(以下、塚) 『ほかげ』の準備をしているときに、ロシアウクライナ戦争が始まりました。この戦争は、これまでの歴史を踏まえてもまったく違うものだと感じたんです。今の時代にこんなに突然、襲いかかるように勃発する戦争はあるのかと、正直、絶句しました。 僕がとても心配しているのは、次世代の人たちが戦争という恐ろしいものに巻き込まれてしまうのではないかということです。その危険がだいぶ高まっているように感じてしまいました。そうならないように、という祈りを込めて、この映画を作っています。

    「僕たちは民衆なのに、権力者目線で戦争を語りすぎている」戦争の痛みを描き続ける塚本晋也監督が『ほかげ』と森山未來に託した平和への祈り | 集英社オンライン | 毎日が、あたらしい
  • interview with Shinya Tsukamoto | ele-king

    生まれて初めてNHKの朝ドラを観ている。笠置シズ子にも興味はあったけれど、塚晋也の新作で主人公を演じる趣里が朝ドラでも主役を張っていると知り、その振り幅にまずは興味が湧いた(ついでに『東京貧困女子』も最初だけ観た)。内覧会で一足先に『ほかげ』を観ていたので、朝ドラで歌劇団のルーキーを演じる趣里がとても幼く感じられ、『ほかげ』では生活に疲れて先の見えない人物像がしっかりと造形されていたのだなと改めて趣里の演技力に感心した。『ほかげ』は戦後の闇市を舞台にした作品で、居場所のなくなった人々が暗中模索を続ける群像劇。前半と後半で異なる主題を扱い、戦争によって滅茶苦茶になった日の心象を様々な視点から洗い出す。誰もが無表情のままで、喜怒哀楽のどこにも触れないのは塚作品の質が剥き出しになっている気がする。 ©2023 SHINYA TSUKAMOTO/KAIJYU THEATER 『鉄男』シリー

    interview with Shinya Tsukamoto | ele-king
    stonedlove
    stonedlove 2023/11/27
    おー! 〈ele-king〉で三田さんが塚本さんにインタビュー🤩
  • 「アジアで取り残される」日本映画が直面する現実

    「このままでは、日はアジアに取り残される」 KOFIC(韓国映画振興委員会)のパク・キヨン委員長と、諏訪敦彦監督(action4cinema/日版CNC設立を求める会の共同代表、東京藝術大学教授)が日映画界に対して、警鐘を鳴らした。 日映画といえば、今年だけでも是枝裕和監督や濱口竜介監督の作品などが世界の映画祭で高い評価を受けている。 一方で今年5月にアジア7カ国が共同宣言を出した映画制作連携協定「AFAN(Asian Film Alliance Network)」に日は不参加だった。その背景とアジアにおける日映画界の現状への危惧を、パク委員長と諏訪監督に聞いた。 日不在で開始したアジアの連携協定 今年5月の『第76回カンヌ国際映画祭』。役所広司の男優賞(『PERFECT DAYS』)、坂元裕二の脚賞(『怪物』)受賞により、日映画が世界から注目を集めた。その一方、現地を

    「アジアで取り残される」日本映画が直面する現実
  • リオデジャネイロを舞台にした神話絵巻 「黒いオルフェ」

    実は「古事記」の中にもあったのである。「古事記」は、日で最初に完成した文学作品といわれ、その時代を生きた人々が使っていた日語で書かれていて、原典は解読することができない。それが池澤夏樹さんの個人編集、「日文学全集」の第一巻として編まれることによって、誰にでも読めるようになった。 どこか読みすごしていた物語をたどるうち、ふと手がとまったのは、イザナキとイザナミのエピソード。 「古事記」の前半、イザナキは、に会おうと死者の国である黄泉国(よみの国)まで追いかけてゆくのだが、「私を見ないで」というとの約束を破ってしまう。 このプロットにはどこか覚えがある。 それがなにゆえあって、はるか遠い東洋の島国である日に・・と思ううち、記憶はたちまちワープして、昔に観た一映画へ。 見るな、ふりむくな。そう禁じられても破ってしまう普遍のタブー。 これはそっくり、映画「黒いオルフェ」(1959年

    リオデジャネイロを舞台にした神話絵巻 「黒いオルフェ」
  • The Stones and Brian Jones | A Magnolia Pictures Film | Directed by Nick Broomfield | Available Everywhere November 17

    stonedlove
    stonedlove 2023/11/07
    Through the past darkly. ブライアンこそがストーンズだった
  • The Stones and Brian Jones - Official Trailer | Rolling Stones Documentary | In Theaters November 7

  • 理想郷 | ele-king

    出演:ドゥニ・メノーシェ、マリナ・フォイス、ルイス・サエラ、ディエゴ・アニード、マリー・コロン 監督:ロドリゴ・ソロゴイェン  脚:イザベル・ペーニャ、ロドリゴ・ソロゴイェン 撮影監督:アレハンドロ・デ・パブロ 2022年/スペイン・フランス/スペイン語・フランス語・ガリシア語/138分/カラー/シネスコ/5.1ch 原題:AS BESTAS/英題:THE BEASTS/字幕:渡邊一治 配給:アンプラグド 後援:駐日スペイン大使館、在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ © Arcadia Motion Pictures, S.L., Caballo Films, S.L., Cronos Entertainment, A.I.E,Le pacte S.A.S. 11.3(金・祝)よりBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネマート新宿ほか全国順次公開 公式サイト:http://

    理想郷 | ele-king
  • 国葬の日 | ele-king

    監督 大島新 取材・撮影 [東京]大島新 三好保彦 [下関]田渕慶 [京都] 石飛篤史 浜崎務 [福島]船木光 [沖縄]前田亜紀 [札幌]越美絵 [奈 良]石飛篤史 浜崎務 [広島]中村裕 [静岡]込山正徳 [長崎]高澤俊太郎 編集 宮島亜紀 整音・効果 高木創 監督補 船木光 制作スタッフ 中村有理沙 プロデューサー 前田亜紀 制作 ネツゲン 配給 東風 2023 年/日/88 分/DCP/ドキュメンタリー ©「国葬の日」製作委員会 【現在公開中です】 9 月 16 日(土)より[東京]ポレポレ東中野、 9 月 23 日(土)より[大阪]第七藝術劇場、[愛知]名古屋シネマスコーレほか全国順次 ちょっと前にグラフィック・デザイナーの石黒景太と話をしていたら「まるで安倍晋三なんかいなかったみたいだ」という話になった。TVを観ているととくにそう思うし、安倍晋三という人は初めからいなかったよう

    国葬の日 | ele-king
    stonedlove
    stonedlove 2023/10/11
    「この作品を見ても「国葬」については何ひとつわからない。「村社会」だけがくっきりと映し出されている。横断性のない社会。個人が認められない社会。肩書きでしか動かない社会」
  • 熊は、いない | ele-king

    監督・脚・製作:ジャファル・パナヒ 撮影:アミン・ジャファリ 編集:アミル・エトミナーン サウンドデザイン:モハマド・レザ・デルパック 2022/イラン/原題: خرس نیست/英題:NO BEARS/ペルシア語・アゼリー語・トルコ語/107分/カラー/ビスタ/5.1ch 日語字幕:大西公子/字幕監修:ショーレ・ゴルパリアン 配給:アンプラグド ©2022_JP Production_all rights reserved 9月15日(金)より新宿武蔵野館ほか全国順次公開 試写状を裏返すと上映場所がイラン大使館と書かれていた。これは珍しい。イラン映画は機会があれば観るようにしていたし、イラン大使館に入れるのは面白そうだと、それだけで『君は行く先を知らない』の試写に行ってみた。麻布十番から少し歩いたところにある白い建物。アメリカ大使館と同じように坂を上っていき、しかし、銃を持った警備員

    熊は、いない | ele-king
  • 「集団に埋没するな」森達也監督インタビュー【福田村事件】 | NHK

    東大震災から100年。歴史の影に隠れてきた、ある事件をテーマとした映画が公開されました。「オウム真理教」のドキュメンタリーなどを撮ってきた森達也さんが、初めて劇映画のメガホンを取った『福田村事件』です。 当初、福岡県内での上映は当初1館のみでしたが、今後5館にまで拡大する予定。ミニシアターを中心に上映される作品としては異例のヒットを飛ばしています。 福岡での公開にあわせて舞台挨拶に訪れた森さんに、話を聞きました。 (NHK福岡放送局 木内慧・河﨑涼太) 「この国はちょっとおかしいぞ」空気を変えるきっかけに 舞台挨拶に登壇する田中麗奈さん(左)森達也さん(右) ――映画の大ヒット、おめでとうございます。全国でも連日多くの観客を動員し、福岡での舞台挨拶のチケットは前日までに完売したそうです。この反応をどう見ていますか。 この映画がここまで多くの人びとに見てもらえる状況というのは、当に予想外

    「集団に埋没するな」森達也監督インタビュー【福田村事件】 | NHK
  • Minyo Crusaders | ele-king

    これはほんとに見て欲しい、我らが民謡クルセイダーズのドキュメンタリー映画、『ブリング・ミンヨー・バック!Bring Minyo Back!』が9月15日より、ヒューマントラストシネマ渋谷で上映されます。やった! もちろん、みなさんよく知っての通り、民謡クルセイダーズは素晴らしいバンドです。真の意味でハイブリッドで民衆的で、この国の宝石であり国境を越えたダンス・ミュージック・バンドである彼ら・彼女らの音楽は、すっかり国内外でファンを増やしているわけですが、映画『ブリング・ミンヨー・バック!Bring Minyo Back!』は、この大所帯バンドのもっとも質的なところや文化的系脈をみごとに掘り起こし、J-POPでハイパーポップで再開発でクールな日からは見えない日をあぶり出して見せてもいます。素晴らしいです。後半の世界ツアーの映像なんかは、ほとんど『タージ・マハル旅行団「旅」について』の現

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  • 「福田村事件」 - 映画貧乏日記

    「福田村事件2023年9月7日(木)テアトル新宿にて。午後3時20分より鑑賞(A-11) ~関東大震災後の惨劇をもとに森達也監督が集団心理の恐ろしさを劇映画で描く 「A」「A2」「i 新聞記者ドキュメント」など、数々のドキュメンタリー作品を手がけてきた森達也監督が、初めて手がけた劇映画「福田村事件」。関東大震災直後の混乱の中で、千葉県東葛飾郡福田村で香川からやって来た行商団15人の内、幼児や妊婦を含む9人が殺害された虐殺事件をもとに描いた。 森監督は、初めはドキュメンタリーとしてテレビ局に持ち込んだものの断られ、それなら劇映画にと思ったもののなかなか実現の見通しは立たなかった。だが、名脚家で「火口のふたり」などの監督でもある荒井晴彦と出会って、一気に局面が変わった。荒井も福田村事件映画にしたいと思っていたのだ。 というわけで、脚が佐伯俊道、井上淳一、荒井晴彦、そして監督が森達也と

    「福田村事件」 - 映画貧乏日記
  • 関東大震災から100年目の劇映画『福田村事件』…「日本のメディアがゴミだと思うなら、それは社会もゴミだということ」ドキュメンタリー作家・森達也がそれでも日本に絶望しない理由 | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け

    “集団”と“個”はずっと描いてきた大きなテーマ ──福田村事件が起きたのは、関東大震災発生から5日後の1923年9月6日。香川県から福田村(現在の千葉県野田市)にやってきた薬売りの行商団9人が朝鮮人と間違われ、自警団を含む100人以上の村人たちに殺された事件です。2001年に小さな新聞記事を読んでこの事件を知ったそうですが、映画にしたいと思うほど惹きつけられた理由は? 僕の映画製作の原点は、オウム真理教の信者たちを被写体にした『A』(1997)です。あの映画を撮るときに感じた「なぜこんなに穏やかで純真な人たちが事件を起こしちゃったんだろう」という疑問は、僕の中で通奏低音みたいに今も響いています。 その問題提起に対してのひとつの答えは、“組織”、あるいは“集団”です。個人であれば決してできないことを、人は集団の一部になったときにやってしまう。虐殺や戦争が典型だけど、そういう歴史は世界中にいく

    関東大震災から100年目の劇映画『福田村事件』…「日本のメディアがゴミだと思うなら、それは社会もゴミだということ」ドキュメンタリー作家・森達也がそれでも日本に絶望しない理由 | 集英社オンライン | ニュースを本気で噛み砕け
  • 映画『福田村事件』感想 - 小野マトペの納豆ペペロンチーノ日記

    9月1日、ユーロスペースで『福田村事件』を観た。 www.youtube.com 関東大震災直後の千葉で香川からの行商15名のうち子供と妊婦を含む9名が、地元の自警団に朝鮮人と間違えられて殺害された実在の事件を基にした劇映画事件が起きたのは1923年(大正12年)9月6日、つまり100年前の今日だ。 監督は著名なドキュメンタリー監督の森達也氏。失礼ながらドキュメンタリー作家の初劇映画ということで正直期待していなかったが、観てみると意外にもしっかりした映画で驚いてしまった。 前半は狭い村でのドロドロとした愛憎が組み立てられていき、その情念が後半での虐殺事件に流れ込んでいく。冒頭から鍬や包丁など、日常の中に暴力の予感を忍ばせるのも上手いし、豆腐、白磁の指輪、朝鮮飴といった純白モチーフの使い方も手慣れている。 実はこの作品、森達也監督と同時期にたまたま劇映画畑の脚スタッフ3名も「福田村事件

    映画『福田村事件』感想 - 小野マトペの納豆ペペロンチーノ日記
  • The Source Family - Official Trailer

  • 町山智浩 映画『福田村事件』を語る

    町山智浩さんが2023年8月29日放送のTBSラジオ『こねくと』の中で映画『福田村事件』について話していました。 (町山智浩)で、今日はですね、今週の金曜日。9月1日になるんですけれども。関東大震災からちょうど100年目なんですね。それで、ちょうどその9月1日に日公開になる日映画なんですが。『福田村事件』という関東大震災についての映画を紹介します。これはね、僕の知り合いも出てまして。水道橋博士が出ています。 (でか美ちゃん)俳優として? (町山智浩)はい。博士が参議院議員に当選した後に撮影してるんですけど。 (でか美ちゃん)ああ、そうなんですか? (町山智浩)そうなんですよ。で、彼の俳優がとして……今まで、何かやってきてるんですけど。今回は一番いいですね。 (でか美ちゃん)へー! YouTubeもね、町山さんのに出られたりしてましたよね。水道橋博士。 (町山智浩)はい。なんか今、だん

    町山智浩 映画『福田村事件』を語る
  • 映画『福田村事件』――ホラーで愛国でリテラシーな超問題作|下村健一

    ちょうど100年前の明日(1923.9.6)、現在の千葉県野田市で発生した虐殺事件をベースにした、異色の劇映画『福田村事件』(森達也監督)。“特別支援者”6人の一角に敢えて顕名で連なった者の責任として、全国公開を機にコメントを記しておきたい。 観終えても続くホラー とにかく、これは今まで僕が観た中で最恐のホラー映画だ。他のホラーは、ゾンビだったり特異な殺人鬼だったりと恐怖の対象が《他者》なのに対し、史実に基づくこの作品では恐怖の対象は《我々》自身。後半これでもかというほど続く虐殺シーンには、ユダヤ人虐殺を指示したヒトラーに当たる明確な存在がいない。ただただ[先入観]と[社会不安]と[集団心理]が、素朴な村の人々を虐殺者に“キャラ変”させてゆく。 しかもこれは、関東大震災直後の被災地あちこちで「震災死者数の1~数%」(by 内閣府中央防災会議)=つまり千〜数千人が犠牲になった同時多発大虐殺の

    映画『福田村事件』――ホラーで愛国でリテラシーな超問題作|下村健一