菅直人首相が中部電力浜岡原発の全号機の停止を要請した。東日本大震災による原発震災を経験した上での決断だ。 浜岡原発は近い将来に必ず起きると考えられる東海地震の想定震源域の真上に建つ。建設当時には知られていなかった地震学の知識である。知っていたなら、避けたはずの場所であり、そのリスクは私たちもかねて指摘してきた。 地震と津波の威力がいかにすさまじいか。原発震災の影響がいかに深刻か。東日本大震災で私たちはその恐ろしさを身をもって体験した。 万が一、重大な事故が再び発生するようなことがあれば、菅首相が述べたように日本全体に与える影響はあまりに甚大だ。 中部電力は東日本大震災を受け、防潮堤の設置など複数の津波対策を計画している。しかし、その対策が終わる前に、東海地震に襲われる恐れは否定できない。南海、東南海地震と連動して起きる恐れもある。 防潮堤の設置など中長期の対策が終わるまで停止するよう要請