東日本大震災で124隻の漁船が津波被害に遭った旭市の飯岡漁港が、主力のカタクチイワシの大漁に沸いている。昨年11月までの港全体の水揚げ高は前年比70%減。しかし港内の浚渫(しゅんせつ)が終わった昨年12月からカタクチイワシの水揚げ高が急増したおかげで、今年1月末で前年度の全体の水揚げ高を超えた。海匝漁協の守部幸一常務理事は「大震災で、海の怖さを痛感。そして今、海の恵みが戻った。海は見捨てなかったんですね」。 震災で漁船が大破した。港内はがれきなどで埋まった。巻き網船は銚子漁港に仮住まいを強いられた。 飯岡漁港は、カタクチイワシの水揚げ高では全国トップクラスだ。同漁港の全ての水揚げ高の約80%をカタクチイワシが占める。春の漁が不振だっただけに、「2011年度は赤字決算が避けられない」。守部さんはそう腹をくくっていた。 昨年11月末で港内の浚渫が完了し、ようやく12月6日から巻き網船が出