広告ビジネスは「黄金の林檎」 Netflixについては、現時点で、Facebookなどの企業と決定的に異なる点がある。 「広告のビジネスをいっさい行っていない」ことだ。 同社の収益のほとんどは、顧客から集めた月額利用料であり、収集・蓄積した膨大な行動履歴も、自社のサービス向上のためにのみ使われている。 Facebookがまさにそうしているように、行動履歴を徹底的に活用すれば、そこには大きな広告価値が生まれるのだが、Netflixは、そのビジネスには乗り出さない。パートナー企業にも、いっさい情報を開示していない。その理由について、イェリン副社長はこう説明する。 「個人情報を使った広告ビジネスは『黄金の林檎』のようなものだ。確かに貴重だが、我々はそこに、絶対に手を出すことができない」 「黄金の林檎」とは、ギリシア神話や北欧神話に出てくる言葉で、「貴重なものではあるが、それに手を出した結果、たい