出井 僕は全然なかった。 楢原 ないです、ないです。もうやめようと思ってましたし。 ――本当ですか。 楢原 むしろやめなきゃいけないと思ってました。吉本所属だったら思ってなかったかもしれないです。たとえばM-1の戦績でいえば、僕らより成績が下のやつらでもめちゃめちゃ食ってたりしたので。でも吉本以外の事務所では、おじさんになってくるとライブの需要もなけりゃあ、仕事も減ってくるしっていうのを見てたんですよ。そういう“お笑いゾンビ”になる前にやめなきゃいけないんだろうなっていうのがあるんですよ、吉本以外では。 出井 死にきれてないお笑いゾンビ。 楢原 そう、本当は死んでるんですけど、傍から見たら。でも漫才しかやることがないから、やめ時を見失って彷徨ってしまう。 ――ではなぜ「食っていける」可能性の高い吉本をお二人は出ようと思ったのでしょうか。 楢原 いやそうですね……馴染めなかったのがでかいです