君はユリ・ゲラーに「テレパシーでやれよ!」とツッコんだことはあるか?/大槻ケンヂ「医者にオカルトを止められた男」(3)文=大槻ケンヂ 挿絵=チビル松村 ユリ・ゲラーにお願い「賢ちゃん、時計が動いたわよ!」 と母がいきなりいったのだ。小学生のころだ。学校から帰ってきて……とここまで書いたところで『この書き出し前回とソックリだな』と気づいたわけだが、本当のことなので仕方がない。 1974年2月1日、学校から帰って家族揃ってテレビ「木曜スペシャル」を観ていると、一人の外国人が通訳を介して「今から念力でフォークを曲げる」と言った。彼は超能力者なのだという。ユリ・ゲラーというイスラエルから来たその男は、フォークの首のところを持ち、指でこすり、見事に金属の食器を曲げてしまった。 全国のお茶の間がどよめいた一瞬だ。もちろん、大槻家も二男、賢二を中心に大騒ぎだった。だってそんな現象を家族全員初めて目撃した