こうしてロシア革命が成立すると、そうした民族の独立を認めつつ、ソビエト連邦という大きな連邦の1つの共和国として独立を認めるという方法をとる。しかし、当面の敵であった抑圧と中央集権のツァー体制がなくなると、ソ連共産党にとってそれまでの民族独立闘争が邪魔になる。一方で、民族独立闘争を支持しながら、最終的にはそれを撲滅しなければならないという矛盾が出てくる。民族は認め、共和国を認めるのだが、それを束ねるのはソ連共産党であり、しかもその中心にロシア人が位置することになる。 ソ連によって組織された第3インターナショナルは、早速この問題に遭遇することになった。ソ連共産党は、それ以外の地域や国の共産党に対してどういう位置にあるのか。ソ連共産党の指導による世界共産主義の指導方針は、上意下達の中央集権的ツァー体制をその遺伝として受け継いでいるのか、そうでないのか。ソ連共産党は、結局ロシア共産党ではないのか―