筆者は少し前まで、地上デジタル放送の番組をほとんど見ていなかった。あまり見たい番組がなかったからなのだが、今クールからは選り好みをせず、可能な限り時間を割いて各局の番組を見るようにしている。 そこで気付いたのが、放送画質のあまりの悪さだ。以前から放送ビットレートの低さから来るブロック歪みやモスキートノイズの多さは気になっていたが、それ以前に輝度レンジを広く使っていない撮影があまりに多い。 テレビの発表会などに使われるサンプル映像は黒レベルもキッチリとっている(写真は東芝のデモ画像)。ところが放送波では向上した性能がいかされないケースも…… たとえばスタジオ収録のバラエティ番組を見ると、確かに高輝度の白側のレベルはきちんと合っている。これは基本なので当たり前だろうが、黒側はレベルが高すぎて“黒浮き”している場合が大半だ。立体感がなく、ノッペリとして全体に白っぽく見える。白レベルは合わせても、