日本では近年、1年間に約30万件の特許出願がなされ、そのうち約20万件が登録されている(*1)。それらの特許情報が記載されている特許公報には、出願人(主に企業)だけでなく、発明者(主に企業の研究者)も記載されている(*2)。 ある企業の数年分の出願の発明者欄を眺めてみると、ある発明者が多数の特許出願を行っていることもあれば、別の発明者は少数の特許出願しか行っていないことに気付く(*3)。出願件数や登録件数の多い発明者を、仮に「上位の発明者」と呼ぶことにすると、各企業の出願件数や登録件数は、上位の発明者によってどの程度占有されているのだろうか。つまり、発明の偏り具合はどの程度あるのだろうか。また、もし少数の上位の発明者によって多くを占有されているとしたら、それは、その上位の発明者が所属する企業にとって良いことなのだろうか。 そこで、まずは、発明の偏り具合を簡易的に調査した。今回の調査では、C