青少年保護育成条例・青少年健全育成条例に定めるところの有害図書・不健全図書の指定・販売規制の議論について、ゾーニングについての議論であるから、表現の自由・表現規制についての議論ではない、というような話をみかける。 しかしながら、出版物を有害図書・不健全図書として指定し、青少年に対する販売に一定の規制をかける条例なのであるから、青少年の知る自由を制限していることは明らかである。 知る自由は、表現の自由から導かれる派生原理である。青少年に対して知る自由を制限する条例は、送り手側にとっては青少年に対して表現をする自由を制限する条例である、といえる。 昭和62(あ)1462 岐阜県青少年保護育成条例違反 平成1年09月19日 最高裁判所第三小法廷 判決 裁判官補足意見 裁判官 伊藤正己による補足意見。 一 本件条例と憲法二一条 (一) 本件条例によれば、六条一項により有害図書として指定を受けた図書