【鈴木宣弘:食料・農業問題 本質と裏側】食料自給率の意味が理解されていない~「『一本足打法』ではだめだ」とは何?2024年4月11日一覧へ 25年ぶりに食料・農業・農村の「憲法」たる基本法の見直しを今やる意義とは、世界的な食料需給情勢の悪化と国内農業の疲弊を踏まえ、不測の事態にも国民の命を守れるように国内生産への支援を早急に強化し、国民が必要とし、消費する食料は、できるだけ国内で生産する(国消国産)ために、食料自給率を高める抜本的な政策を打ち出すためだ、と考えられた。 しかし、新基本法の原案には食料自給率という言葉がなく、与党からの要請を受けて、「食料自給率向上」という文言を加えるという修正は行なわれたが、なぜ自給率向上が必要で、そのために抜本的な施策を講じるという言及はなされていないのはそのままだ。 まず、食料自給率という指標の位置づけについても審議会関係者の中では、「食料安全保障を自給