画像説明, 18日に来日したバイデン米大統領(左)を出迎えた岸田首相。両首脳は同日、サミットを前に会談した もしも主要7カ国首脳会議(G7サミット)がディナーパーティーなら、ホストはガレージで伸縮式テーブルを探し、予備のテーブルマットやフォーク、ナイフなどがないか積み上げた箱の中をがさがさ探していることだろう。
ロシアのプーチン政権をロシア・ウクライナ戦争へ駆り立てたナショナリズムの思想はどのようなものなのでしょうか。長引くロシア・ウクライナ戦争の思想的背景について、近代ロシア文学・思想を専門とする、総合文化研究科の乗松亨平教授に聞きました。 イリヤ・レーピン〈トルコのスルタンに手紙を書くザポリッジャ・コサック〉(1880-91) ©Ilya Repin プーチン政権の帝国的ナショナリズムとロシア民族主義 ―― 今回の戦争をどのようにご覧になっていますか? 従来、プーチン大統領は現実判断に基づいてプラグマティックな行動をとる冷静な政治家であると一般的に評価されていましたが、2014年のウクライナ危機以降、今回の戦争に至るまでを見ると、その評価を変えざるをえません。プーチンのこうした変化の一因として、ロシア・ナショナリズムの思想が注目されています。 プーチンは、9月30日にウクライナ4州の併合を宣言
「やばいよ、やばいよ」 最初に話が来た時の私の気持ちは、リアクション芸人のそれである。 首相が、私に会いに来るというのだ。 それも世界で注目されている国の首相だ。 何で私に?Why me? でもやるしかない、覚悟を決めた。 (ネットワーク報道部 野田麻里子) その国は、小さな国で人口およそ260万人、大きさは九州くらいである。 経済状況もかんばしくない。ヨーロッパの中でも特に厳しいと言われている。 国名を「モルドバ共和国」といい、この小さな国を世界的に有名にしたのは理不尽なできごとからだった。 それがロシアのウクライナ侵攻。 モルドバ共和国はウクライナの、西隣に位置している。 それ故に侵攻の影響をすぐ受け、ウクライナから避難する人が一時、30万人近くになった。人口の10分の1以上だ。 比較するのはとても変だが、日本に1200万以上の人たちが避難してきたような計算だ。 そうした人たちをモルド
ウクライナのゼレンシキー大統領は4日、日本の東洋大学を中心に、他14の大学をオンラインで接続する形で、日本の大学の学生・教師に向けた講演を行った。 ウクライナ大統領府広報室が講演全文を公開した。 ゼレンシキー大統領の講演内容は以下のとおり。 あなた方は4か月、「ウクライナ戦争」というタイトルのニュースを見聞きし、読んでいる。そのような省略は、出来事の全体像、物事の本質、ウクライナで起きていることの受け止め方を歪ませる可能性がある。本質を変えてしまうかもしれないのだ。 これは、「ロシア連邦が始め、ロシア連邦が続け、ロシア連邦が止めたがらない、ウクライナにおける戦争」である。ウクライナは、自らの大地と主権と領土を守っている。ウクライナは平和のために戦っている。そう、このような21世紀の残酷な逆説が、私たちにとっての現実である。 私たちは、武器を置くことはできない。なぜなら、置いてしまったら私た
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◆ ロシアによるウクライナ軍事侵攻、オリガルヒの資産凍結をはじめとする経済制裁、そして存続の危機に立たされたチェルシー。スポーツ界やサッカー界は政治と無縁ではない。むしろ、一般に考えられているよりもはるかに深く、そして直接的に結び付いている。 その事実をいちはやく指摘し、警鐘を鳴らした「予言の書」が、2018年に出版された『億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム』だった。 とりわけ第1章の『東ヨーロッパ編 オルガリヒの台頭』は、ソ連崩壊後のロシアでプーチンが権力を掌握してきた過程、アブラモヴィチをはじめとする面々の暗躍などを、ナワルヌィ氏などをはじめとする民主運動家へのロングインタビューや、長期に亘る現地取材を通じて徹底解説。反体制派が次々と暗殺されていく恐ろしい実態、プーチンやオリガルヒなどに莫大な権力と富が流れ込んでいくメカニズム、「ノルド・ストリーム」を巡る問
習近平政権が抹消した「幻の講演」 ロシアがウクライナに侵攻して、まもなく3ヵ月を迎えるが、中国にもウクライナ兵士並みの勇気を持ち合わせた外交官がいるものだ。 高玉生(こう・ぎょくせい)元駐ウクライナ中国大使、74歳である。 まずは簡単に略歴を紹介する。高氏は、国共内戦中の1947年に、首都・北京を取り巻く河北省で生まれた。青年時代の文化大革命の混乱を経て、1975年から1979年まで、天津市で中学教師をやっていた。 1979年、31歳にして、北京大学経済学部の大学院に入る。1982年に中国国際問題研究所に入所。1984年にロシアンスクールの外交官となり、4年間、3等秘書官及び2等秘書官としてモスクワの中国大使館勤務。1992年から再び4年間、1等書記官及び参事官として、モスクワの中国大使館に勤務した。その後、2000年から3年間、駐トルクメニスタンの中国大使を務めた。 続いて、2005年1
ウクライナのゼレンスキー大統領は日本の国会でもオンラインで演説。日本の政治家たちを惹きつけた。 代表撮影(2022年 ロイター) ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア侵攻が始まってから連日、オンラインを駆使して世界に支援を呼び掛けている。ジャーナリストの大門小百合さんは「大統領の演説はさまざまなスピーチの手法を駆使し、内容も非常によく練られている。それは、世界から"忘れられない"ための、必死の発信ではないか」という――。 「欲しいのはスイーツではなく武器」 「全ての演説には、政治的意図がある」 ハーバード大学の授業で、クリントン元大統領のスピーチライターだった教授が言った言葉だ。留学中だった当時の私には「そんなものだろうか?」とピンと来なかったが、ウクライナで戦争が始まってからは、あの時の教授の言葉の意味が分る気がしている。 ロシアのウクライナ侵攻が始まって2カ月。この間、ウクライナが
ロシアのプーチン大統領の言動を見ていると、かつて「東側」を覆った全体主義の恐怖が迫ってくるように感じる。ウクライナ侵攻が始まって2カ月半、出口が見えないまま、戦争の拡大懸念だけが日を追うごとに高まっている。世界は泥沼から抜け出せるのかどうか。国際政治学者の藤原帰一・東京大学客員教授(65)を訪ねると、語り口は冷静ながらも憤まんと悲嘆を隠しきれない様子だった。 藤原さんは戦争や平和にまつわる「べき論」とは距離を置き、国家間の権力闘争たる国際政治をフィールドにして、世界平和の条件を探ってきた人だ。3月末に東京大を定年退職し、客員教授になったばかりである。まずは、こんな話から切り出した。「プーチン氏は電撃戦で勝利できると思い込んでいたフシがあり、だからこそ戦争に訴え、失敗した。愚かで残虐な選択です。自軍の力を過信し、希望的な観測に基づかない限り、こんな戦争は起こせないものです」 いきなりの酷評ぶ
ロシアの侵攻を受けたウクライナに、日本政府が支援目的で自衛隊の保有する物資を送っている。その中には、防弾チョッキや防護マスクといった身を守る装備品だけでなく、小型無人機のドローンも含まれる。ドローンは攻撃に使われるケースもあるが、日本が提供することに問題はないのか。また、そうした物資の提供はどこまで認められるのか。専門家は「防衛装備の提供先や種類がなし崩しに拡大しないように、国会で議論を深めるべきだ」とする。 「化学兵器等対応の防護マスクと防護衣、ドローンをウクライナ政府に提供する」。4月19日、岸信夫防衛相は閣議後の記者会見で説明した。3月に表明した防弾チョッキやヘルメットなどに続く支援となった。 防衛省によると、ウクライナへの物資の無償提供の法的根拠は、自衛隊法116条の3で定められた「発展途上国の支援のため、不用となった装備品を譲渡できる」との規定による。この条文は弾薬を含む武器の提
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ウクライナの首都キーウ(キエフ)を訪問しゼレンスキー大統領(右)と会談したジョンソン英首相(4月9日) UKRAINIAN PRESIDENTIAL PRESS SERVICE-HANDOUT-REUTERS <新型コロナウイルスの規制を破ってのパーティーでイギリス国民から完全に嫌悪されたと思われたが、もっと嫌悪すべき相手(ロシア)の登場でむしろウクライナ対応の適切さが際立つジョンソン英首相> 現時点では、ジョンソン英首相の最大の味方は「相対評価」だ。イギリスの人々は、ロックダウンで国民に課された規制を彼が破ったことを今もまだ怒っているし、この件で彼は罰金も科された。だがロシアがウクライナを侵攻する前でさえも、ロシアのプーチン大統領が黒海沿岸に1億ポンドの宮殿(資金源は1つしか説明がつかない)を建てても許されている一方で、ジョンソンがバースデーケーキにありついただけで窮地に立たされるという
米国のインターネットサイトThe Journal of Democracy に2022年2月22日に公開された標記の論文(原題はWhat Putin Fears Most)を翻訳し、日本語版読者の皆さんにお届けする。 ロシアによるウクライナ侵攻が始まった。ロシアのプーチン大統領は皆さんに、侵攻はNATO(北大西洋条約機構)のせいであると信じてもらいたいと考えている。動員された19万人に上るロシア兵や海兵ではなく、NATOの東方拡大がこの危機の主因であるとしばしば(この侵略が始まった際のロシア国民に向けた演説を含めて)主張してきた。 「ウクライナ危機は西側諸国の過ちにより引き起こされた」と主張する米国の政治学者ジョン・ミアシャイマーの2014年の『フォーリン・アフェアーズ』の挑発的な論考以来、NATO拡大に対するロシアの反動という物語がウクライナでこれまで継続してきた戦争を説明するための(正
「誰かロシアを止めてくれ」と思っている人も多いでしょう。 ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続く中、注目されている国が中東のトルコです。 双方を仲介して停戦にこぎつけようと、独自の外交を展開。 しかし、そもそも、なぜトルコが仲介役に? 現地での取材をもとに、詳しく解説します。 (イスタンブール支局長 佐野圭崇) 初めて行われた外相会談 その評価は? 3月10日、ウクライナとロシア、両国の外相が相まみえました。 2人が会って話すのは、侵攻が始まってから初めてのこと。 たとえわずかでも、停戦につながる糸口を見いだせないか、世界が期待して見守りました。 しかし、会談は1時間ほどで終わり、目に見える進展はありませんでした。 記者会見も別々の部屋で行い、溝が埋まらなかったことを象徴しているようでした。 ただ、少なくとも、戦っている国どうしの代表が1つのテーブルにつき、どちらも交渉の継続に前向きな姿
ロシアはウクライナの戦争に負けるのだろうか。だとすれば、自由主義や西側諸国の未来はどうなるのだろうか。 有名な論文「歴史の終わり」を著した政治学者フランシス・フクヤマが、新たな論文を発表した。そこで彼は「ロシアが向かう先は、ウクライナでの完敗」という予測をして話題を呼んでいる。 フクヤマの主張によれば、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は完全に判断を誤った。ウクライナ国民が覚悟を決めて併合に抵抗する事態を甘く見ていたうえに、ウクライナ全土を制圧する軍事力もないという。 その結果、プーチンが憤慨し不満を募らせて、無差別攻撃の暴挙に発展するのではとの不安が高まっている。このほどウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、事態が「切迫している」と警告を発した。 しかし、フクヤマは楽観的な見方を変えていない。それは、近々のロシアの敗北に限った話ではない。 当然ながら、1989年のソビエト連
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- 1 - ウクライナ戦争をめぐって 塩川伸明 1 2 月下旬に火を噴いたウクライナ戦争(ロシア軍によるウクライナへの攻撃)は世界中 の人々の耳目を引きつけており、様々な人たちがそれぞれに態度や意見を表明している。 私のように社会的影響力を持たない人間がどういう態度や意見を表明してもさしたる意義 はないだろうが、痛ましい報道に接するたびに、居ても立ってもいられない気持ちに駆り 立てられる。 先ずもって最も重要な点として確認しておかなくてはならないのは、当然のことではあ るが、 ロシア軍によるウクライナへの攻撃は正当化する余地のない蛮行であり、 これが (ロ シア国内を含む)世界の多くの人たちの強い批判を浴びているのは当然だということであ る。これ以外にも考えるべき点が多々あるとはいえ、それらはすべてこの最重要の点を確 認した上で,その後に考えるべきことだという順序関係は明確にしておかなくて
ウクライナのゼレンスキー大統領は3月8日、イギリス議会でオンラインで演説を行いました。 第2次世界大戦時の1940年に当時のチャーチル首相が行った演説をなぞらえ、イギリスだけでなく世界各国から注目されました。 ゼレンスキー大統領は何を語ったのか。 演説全文は次のとおりです。 議長、首相、政府、議会の皆様。 私はイギリスのすべての人々に訴えます。 偉大な歴史を持つ国の人々へ。 私は同じく偉大な国の市民、大統領として訴えます。 大きな夢と闘争を持って。 われわれの13日間について話したい。 われわれが始めたわけでも望んだわけでもないのに、いまも続いている13日間の激しい戦争について。 なぜなら、われわれのウクライナを失いたくないからです。 ナチスが、あなた方の偉大な国、イギリスに対する戦いを始める準備をしていたときに、あなた方が国を失いたくなかったのと同じように。 1日目の午前4時、ミサイルが
","naka5":"<!-- BFF501 PC記事下(中⑤企画)パーツ=1541 -->","naka6":"<!-- BFF486 PC記事下(中⑥デジ編)パーツ=8826 --><div class=\"naka6-banner\" style=\"margin:0 0 15px;\">\n<p style=\"display:block;margin:0 auto;\"><a href=\"https://www.asahi.com/special/bucha/?iref=kiji_bottom_banner\" style=\"display:block;\"><img src=\"https://www.asahicom.jp/special/bucha/images/banner/bucha-tokusyubanner_660x100.jpg\" alt=\"ウクライナ侵攻
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