著者:増田 雅之(編著) 発行年:2022年5月 版型:新書版 防衛研究所の研究者が執筆した『ウクライナ戦争の衝撃』が刊行されました。 世界は「ウクライナ戦争の衝撃」を如何に受け止めたのか。米国、中国、豪州、ASEAN諸国の外交と安全保障、ロシアによる「侵略」の論理を明らかにしています。 『ウクライナ戦争の衝撃』はインターブックスから出版・市販されています。 目次
ウクライナ南東部マリウポリで、軍事パレードに参加するアゾフ連隊のメンバー(2019年6月15日撮影、資料写真)。(c)Evgeniya MAKSYMOVA / AFP 【5月5日 AFP】ロシア外務省のマリア・ザハロワ(Maria Zakharova)報道官は4日、イスラエル人傭兵(ようへい)がウクライナで同国内務省系の軍事組織「アゾフ連隊(Azov Regiment)」と共闘していると主張した。 ザハロワ氏は政府系メディア、スプートニク(Sputnik)のラジオで、「ウクライナでは、実際にイスラエル人傭兵がアゾフ連隊と肩を並べている」と語った。 アゾフ連隊は2014年、極右グループを基盤に発足。東部ドンバス(Donbas)地方での親ロシア派武装勢力との戦いで名を上げ、後に内務省管轄の部隊となった。 現在はウクライナ軍と共にロシア軍と戦っている。南東部マリウポリ(Mariupol)のアゾフ
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシアによる軍事侵攻が始まってから3か月となった24日、日本メディアとしてはじめてNHKの単独インタビューに応じました。 この中でゼレンスキー大統領は「領土を2月24日以前の状態に戻したうえで、ロシアとの交渉のテーブルにつく」と述べ、ロシア軍が侵攻する以前の状態にまで領土を奪還しないかぎり、停戦交渉は難しいという考えを示しました。 ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、NHKのインタビューに応じました。 インタビューは、首都キーウにある大統領府でおよそ45分間行われ、ゼレンスキー大統領が日本メディアのインタビューに応じるのは、ことし2月24日のロシアによる軍事侵攻以降はじめてです。 この中で、ゼレンスキー大統領は、3か月前にロシアがウクライナに軍事侵攻を開始したことについて「ウクライナは、3日もすれば、ロシアに占領されてしまうと考えている国もあったが、3
スイス・ジュネーブにあるロシア国連常駐代表部の正門(2021年10月14日撮影、資料写真)。(c)Fabrice COFFRINI / AFP 【5月24日 AFP】スイス・ジュネーブにあるロシア国連(UN)代表部のボリス・ボンダレフ(Boris Bondarev)参事官が、同国のウクライナ侵攻に抗議し、辞職した。「これほど祖国を恥じたことはない」と述べている。 AFPは、ボンダレフ氏がジュネーブに駐在する各国の外交団に送付した書簡を入手。同氏はその中で、外交官としての20年のキャリアに終止符を打つと表明した。 同氏は、ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領に言及し、「プーチン氏がウクライナに対して、さらに言えば西側世界全体に対してしかけた侵略戦争」を非難。「この戦争を企てた者たちの目的はただ一つ、永遠に権力の座にとどまり、豪華で悪趣味な宮殿に住み、総トン数と
◆ ロシアによるウクライナ軍事侵攻、オリガルヒの資産凍結をはじめとする経済制裁、そして存続の危機に立たされたチェルシー。スポーツ界やサッカー界は政治と無縁ではない。むしろ、一般に考えられているよりもはるかに深く、そして直接的に結び付いている。 その事実をいちはやく指摘し、警鐘を鳴らした「予言の書」が、2018年に出版された『億万長者サッカークラブ サッカー界を支配する狂気のマネーゲーム』だった。 とりわけ第1章の『東ヨーロッパ編 オルガリヒの台頭』は、ソ連崩壊後のロシアでプーチンが権力を掌握してきた過程、アブラモヴィチをはじめとする面々の暗躍などを、ナワルヌィ氏などをはじめとする民主運動家へのロングインタビューや、長期に亘る現地取材を通じて徹底解説。反体制派が次々と暗殺されていく恐ろしい実態、プーチンやオリガルヒなどに莫大な権力と富が流れ込んでいくメカニズム、「ノルド・ストリーム」を巡る問
<食糧が尽き、水場に出向くのも命懸けで、カビと湿気のなか2〜3時間しか眠れないという地下生活。諜報担当の将校と元避難者が状況を明かした> 1000名前後の兵士が直近まで残っていたとされるマリウポリのアゾフスタリ製鉄所の状況を、諜報責任者として製鉄所に留まったアゾフ連隊の将校が明かした。5月17日の時点でウクライナ軍は製鉄所の防衛作戦終了を発表し、残る部隊の救出の意向を示している。インタビューはこの発表の数日前に行われた。将校は24時間で同僚3人を失っており、朝歯を磨きに出るのも命懸けだと説明。逼迫した事態を強調した。 将校は名前をイリヤ・サモイレンコという36歳男性であり、諜報活動およびネットを通じたメディア対応を担当している。マリウポリの戦闘は兼ねてから激しさを増しており、サモイレンコ氏自身も立てこもり以前、ロシア軍が仕掛けた地雷によって片目と片腕を失った。いまは義眼と義手で軍の任務をこ
ウクライナ・ザポリージャ市内の病院で治療を受けるウクライナ兵のフリブ・ストリジコさん(2022年5月7日撮影)。(c)Dimitar DILKOFF / AFP 【5月18日 AFP】レシア・コステンコ(Lesia Kostenko)さん(51)は、ウクライナ兵の息子、フリブ・ストリジコ(Glib Stryzhko)さん(25)がロシア軍の捕虜になったことは知っていた。だが、重傷を負った息子がこっそり電話をかけてくるまで、どこにいるのかは分からなかった。 「見張りの兵士が息子を哀れんでくれた」とコステンコさんはAFPに語った。 ストリジコさんは南東部マリウポリ(Mariupol)での戦闘で、イリイチ(Ilych)製鉄所に駐留していた部隊に所属していた。激戦で命を落としかけ、捕虜となり、最終的にロシアに連行された。 そして、ある日突然、捕虜交換のため飛行機に乗せられ、ウクライナに帰された。
習近平政権が抹消した「幻の講演」 ロシアがウクライナに侵攻して、まもなく3ヵ月を迎えるが、中国にもウクライナ兵士並みの勇気を持ち合わせた外交官がいるものだ。 高玉生(こう・ぎょくせい)元駐ウクライナ中国大使、74歳である。 まずは簡単に略歴を紹介する。高氏は、国共内戦中の1947年に、首都・北京を取り巻く河北省で生まれた。青年時代の文化大革命の混乱を経て、1975年から1979年まで、天津市で中学教師をやっていた。 1979年、31歳にして、北京大学経済学部の大学院に入る。1982年に中国国際問題研究所に入所。1984年にロシアンスクールの外交官となり、4年間、3等秘書官及び2等秘書官としてモスクワの中国大使館勤務。1992年から再び4年間、1等書記官及び参事官として、モスクワの中国大使館に勤務した。その後、2000年から3年間、駐トルクメニスタンの中国大使を務めた。 続いて、2005年1
むすた-SM-SV @nagato1941 ドネツ川の渡河作戦失敗で大損害を受けたというロシア軍部隊、T-72Bに混じって例の土嚢積みT-72Aらしき個体とBMP-1、「O」マーキングからみて中央軍管区の、おそらくは第90親衛戦車師団と第35親衛自動車化狙撃旅団の生き残りで再編成したBTGっぽいな twitter.com/uaweapons/stat… pic.twitter.com/3vVBaeJOEf 2022-05-12 00:45:22 🇺🇦 Ukraine Weapons Tracker @UAWeapons #Ukraine: Russian forces sustained remarkable losses from the failed bridging attempt over the Siverskyi Donets River. We count 6x T-72
ウクライナ大統領府のアレクセイ・アレストヴィチ顧問が5月12日にYouTube番組で行った発言(以下)が波紋を呼んでいます。ロシア軍の制服組トップであるゲラシモフ参謀総長が失脚したというものです。 より正確には、アレストヴィチは次のように述べています。 ・ゲラシモフは事実上、失脚した ・ただ、形式上はまだ参謀総長を解任されたわけではない ・ゲラシモフはもう一度チャンスを与えられるかもしれない ロシア側からはゲラシモフの失脚を確認できるような情報は出てきておらず、現時点ではアレストヴィチの発言の真偽は明らかではありません。そもそもこのYouTube番組自体、亡命中のロシア野党政治家(元弁護士でもある)マルク・フェイギンのものであり、強い反露的バイアスがかかっている可能性は考慮せねばならないでしょう。 ただし、5月9日に行われた戦勝記念パレードの場にゲラシモフ参謀総長は姿を見せませんでした。過
「冷戦期に旧ソ連でどんな議論が交わされていたかを知る意味が増しています」。東京大学先端科学技術研究センター専任講師の小泉悠さんは、ロシア専門家であるとともに、「軍事オタク」を自称する戦争研究者でもあります。その小泉さんに現代の戦争を理解するための本を挙げてもらいました。第1回は『死神の報復 レーガンとゴルバチョフの軍拡競争(上)(下)』です。このシリーズは4回連続で公開します。 第2回は5月16日 、 第3回は5月17日 、 第4回は5月18日 です。 綿密取材に基づく大著 ロシアのウクライナ侵攻で、「ロシアが核兵器を限定使用するのでは」「生物兵器を使うかもしれない」「プーチンが死んだら自動報復システムが作動する」といった説が出ていますね。それが現実のものとなるのかどうか、今回紹介する 『死神の報復 レーガンとゴルバチョフの軍拡競争(上)(下)』 (デイヴィッド・E・ホフマン著/平賀秀明訳
Neptune Anti-Ship Missile May Have Been Weapon That Sank Russian 'Moskva' <2014年のクリミア併合を受けて開発されたウクライナの国産ミサイルが、ロシアの侵攻に対する防衛戦争で大活躍> ロシアによる軍事侵攻に激しい抵抗を続けているウクライナ。その「防衛戦」で最も大きな戦果のひとつをもたらし、戦局を有利に変える中心的な役割を果たしたのは、ウクライナ国内で設計・製造された、ある兵器かもしれない。 ウクライナ軍は4月に、ロシア黒海艦隊の旗艦、ミサイル巡洋艦「モスクワ」を沈没させたと宣言した。これは自軍よりはるかに大きな規模を誇るロシア軍に対する、象徴的かつ戦略的に重要な勝利だった。 Clearer picture of the Moskva (which has been circulating over the past
ウクライナのゼレンスキー大統領は日本の国会でもオンラインで演説。日本の政治家たちを惹きつけた。 代表撮影(2022年 ロイター) ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア侵攻が始まってから連日、オンラインを駆使して世界に支援を呼び掛けている。ジャーナリストの大門小百合さんは「大統領の演説はさまざまなスピーチの手法を駆使し、内容も非常によく練られている。それは、世界から"忘れられない"ための、必死の発信ではないか」という――。 「欲しいのはスイーツではなく武器」 「全ての演説には、政治的意図がある」 ハーバード大学の授業で、クリントン元大統領のスピーチライターだった教授が言った言葉だ。留学中だった当時の私には「そんなものだろうか?」とピンと来なかったが、ウクライナで戦争が始まってからは、あの時の教授の言葉の意味が分る気がしている。 ロシアのウクライナ侵攻が始まって2カ月。この間、ウクライナが
ロシア近現代史を専門とするケンブリッジ大学の歴史学者で、『帝国の興亡──グローバルにみたパワーと帝国』などの著書を持つドミニク・リーベン。彼によれば、帝国の崩壊の影響はつねに遅れてやってくる。そして今回のロシアによるウクライナ侵攻は、その典型なのだという。 帝国とは強大な権力である。その崩壊はたいていの場合、地政学的な動乱や戦争を伴うものだ。 帝国はまた、多国籍的な政治体制であり、そこではさまざまな民族が密集して暮らしている。帝国が、明確に範囲が規定された国民・領土からなる複数の民族国家に分裂するとき、大きな争いが起きずに済むことはほとんどない。ロシアによるウクライナ侵攻はその適例である。 1世紀以上つづく「帝国崩壊の影響」 1880年代、帝政ロシア外務省の首席法律顧問は、「もしも──ありのままのあらゆる民族に対する──国家主権の原則が、現在のロマノフ王朝、ハプスブルグ家、オスマン帝国が支
――筆者のオメル・バルトフ氏は米ブラウン大学の欧州史の教授で、第2次世界大戦中の東欧情勢に関する著書がある *** ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は5月1日、イタリアのテレビ局とのインタビューで、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領がユダヤ系だからといって、ウクライナでの「特別軍事作戦」は同国の「非ナチ化」を狙ったものだとするロシア政府の主張が損なわれるべきではないと主張した。同外相は、ゼレンスキー大統領が「自分がユダヤ人なら、どのようなナチ化が可能なのかという主張を展開している。間違っているかもしれないが、記憶が正しければ、ヒトラーにもユダヤの血が流れている。だからそれは全く意味がない。われわれはしばらくの間、賢明なユダヤ人から、最大の反ユダヤ主義者はユダヤ人だと聞いてきた」と述べた。 ...
ロシアのプーチン大統領の言動を見ていると、かつて「東側」を覆った全体主義の恐怖が迫ってくるように感じる。ウクライナ侵攻が始まって2カ月半、出口が見えないまま、戦争の拡大懸念だけが日を追うごとに高まっている。世界は泥沼から抜け出せるのかどうか。国際政治学者の藤原帰一・東京大学客員教授(65)を訪ねると、語り口は冷静ながらも憤まんと悲嘆を隠しきれない様子だった。 藤原さんは戦争や平和にまつわる「べき論」とは距離を置き、国家間の権力闘争たる国際政治をフィールドにして、世界平和の条件を探ってきた人だ。3月末に東京大を定年退職し、客員教授になったばかりである。まずは、こんな話から切り出した。「プーチン氏は電撃戦で勝利できると思い込んでいたフシがあり、だからこそ戦争に訴え、失敗した。愚かで残虐な選択です。自軍の力を過信し、希望的な観測に基づかない限り、こんな戦争は起こせないものです」 いきなりの酷評ぶ
対独戦勝記念日のイベントに登場したプーチン(モスクワ、5月9日) Sputnik/Anton Novoderzhkin/Pool via REUTERS <ロシア兵の遺体を焼くため移動式火葬場が戦場を駆け巡っている──「プーチンの戦争」の実像と、プーチン演説の真意を専門家たちが解き明かす> [ロンドン発]「大祖国戦争(第二次大戦)」の記憶は国内ではクレムリン支配を、国外では自らの行動を正当化するロシアのカルト的アイデンティティーとして位置付けられている。ウクライナに侵攻したものの、予想外の大苦戦を強いられるウラジーミル・プーチン露大統領は対独戦勝記念日の9日、何を語ったのか。 ウクライナの首都キーウに大軍を進めればウクライナ国民に大歓声で迎えられると信じて疑わなかったプーチン氏は9日に「勝利宣言」を予定していた。しかしキーウを包囲すらできず東・南部戦線に兵力を集中させたものの、「アゾフ大隊
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