1. 発表のポイント ◆現在の地球及び月を作った原因とされる、巨大衝突仮説と呼ばれる現象のコンピュータシミュレーションを行い、月が原始地球のマグマオーシャンと呼ばれるマグマの海から作られた可能性があることを突き止めた。 ◆これまで、アポロ計画で月から持ち帰った岩石に含まれる様々な元素の同位体比測定結果は、巨大衝突仮説に基づく従来のシミュレーションの結果と矛盾することが指摘されていた。 ◆本成果は、大規模粒子計算法のためのコード開発の知見があって初めて成された物であり、今後は惑星科学分野のみならず、幅広い応用が防災・工学分野等において期待される。 2. 概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)付加価値情報創生部門 数理科学・先端技術研究開発センター 細野 七月 特任技術研究員らは、現在の地球及び月を作った原因とされる、巨大衝突仮説と呼ばれる現
【インド洋での深海熱水発見】 今では生命誕生の最有力候補地と考えられている深海底熱水噴出孔ですが、発見されたのは意外と最近の1977年で、インド洋ではじめて発見されたのは2000年のことでした。東京大学海洋研究所(当時)の観測船「白鳳丸」が1993年に得た観測結果をもとに実施されたJAMSTECの深海調査研究船「かいれい」及び無人探査機「かいこう」の調査航海によって、インド洋海域で初となる熱水域「Kaireiフィールド」が中央インド洋海嶺において発見されました(2000年12月14日既報) (Hashimoto et al. 2001)。しかし残念ながら、この航海ではスケーリーフットの存在をみつけることはかないませんでした。 【スケーリーフットという奇妙な形態の生物の発見】 インド洋最初の熱水域「Kaireiフィールド」が見つかって7ヶ月後(2001年)、米国の観測船「Knorr」と無人探
2019年 11月 20日 2019年 12月 12日訂正 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立大学法人東京大学 国立大学法人神戸大学 学校法人千葉工業大学 国立大学法人九州大学 国立大学法人東京工業大学 学校法人早稲田大学 1. 発表のポイント ◆北西太平洋南鳥島沖の深海堆積物から、中新世天体衝突イベント由来のエジェクタ層(放出物質の堆積層)を発見した。エジェクタ層にはオスミウム同位体比の負異常、白金族元素の異常濃集、ニッケルに富むスピネルを多数含む球状粒子(スフェルール)の産出などの天体衝突イベント由来の証拠が確認された。 ◆エジェクタ層の堆積年代は約1,100万年前と推定され、陸上に大きなクレーターが存在しないことから、世界で2例目の海洋天体衝突イベントの発見である可能性が高い。 ◆エジェクタ層の堆積年代は、約1,160万年前(中新世)に起こった最も年代の新しい生物大量絶滅イベント
AUV搭載式3Dレーザースキャナーによる海底熱水域の可視化に成功 ―「海のジパング計画」による技術開発が新たな資源調査手法を確立― 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海洋工学センター海洋技術開発部の石橋正二郎主任技術研究員らの研究グループは、内閣府が進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP:※1)の課題の一つである「次世代海洋資源調査技術(海のジパング計画)」において開発を進めている、自律型無人探査機(AUV)搭載式3Dレーザースキャナーを用いて、伊豆大島南方約20kmの大室ダシ・大室海穴内部にある海底熱水噴出域の3D可視化に成功しました。 大室海穴では、3Dレーザースキャナーを搭載したAUV「おとひめ」が大室海穴内部を高度保持しながら自律航行することにより、数十センチ規模のチムニー(熱水の成分が沈殿して形成される煙突状の
深海熱水系は「天然の発電所」 深海熱水噴出孔周辺における自然発生的な発電現象を実証 ~電気生態系発見や生命起源解明に新しい糸口~ 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)海底資源研究開発センターの山本正浩研究員と国立研究開発法人理化学研究所環境資源科学研究センターの中村龍平チームリーダーらの共同グループは、沖縄トラフの深海熱水噴出域において電気化学的な現場測定を行った結果、深海熱水噴出域の海底面で発電現象が自然発生していることを明らかにしました。 深海熱水噴出孔から噴き出す熱水には硫化水素のように電子を放出しやすい(還元的な)物質が多く含まれています。また、この熱水には鉄や銅などの金属イオンも大量に含まれているため、海水中に放出される過程で冷却されて硫化鉱物として沈殿し、周辺に海底熱水鉱床を形成します。研究グループは、海底熱水鉱床の硫化
2億5000万年後までに日本列島を含んだ超大陸アメイジアが 北半球に形成されることを数値シミュレーションにより予測 ~大陸移動の原動力の理解へ一歩前進~ 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」という。)地球深部ダイナミクス研究分野の吉田晶樹主任研究員は、大型計算機システムを用いた地球のマントル対流の三次元高解像度数値シミュレーションによって、現在から約2億5000万年後までには、北半球を中心とした新しい超大陸(アメイジア)が形成される可能性があることを明らかにしました。 1990年代初頭から、現在のプレート運動の様子や地質学的な情報から、将来、北半球に新しい超大陸「アメイジア」(※1)が誕生することが提唱されてきましたが、今回、マントル対流の高解像度の数値シミュレーションによってアメイジアの誕生を確認し、その形成メカニズムを解明しました。 本研
2016年 4月 21日 2016年 6月 1日一部修正 (本文修正) 国立研究開発法人海洋研究開発機構 国立大学法人京都大学 1.概要 国立研究開発法人海洋研究開発機構(理事長 平 朝彦、以下「JAMSTEC」)海洋生命理工学研究開発センターは、国立大学法人京都大学と共同で、有人潜水調査船「しんかい6500」、無人探査機「ハイパードルフィン」等により深海から採取した堆積物から、D-アミノ酸を好んで食べて増殖する微生物を発見しました。 タンパク質を構成するアミノ酸は、ちょうど鏡に映るように向かい合った左右対称の立体構造を持ったL-アミノ酸とD-アミノ酸の2つに区別されます。これまで生物はL-アミノ酸のみを選択的に利用すると考えられてきましたが、近年の分析技術の進歩によって、ヒトから微生物に至るまで様々な生物がD-アミノ酸を利用していることが明らかになってきました。特に哺乳類で、D-アミノ酸
1.概要 独立行政法人海洋研究開発機構(理事長 加藤康宏)海洋・極限環境生物圏領域の出口 茂チームリーダーらは、九州大学、Institute for Surface Chemistry(界面化学研究所、ストックホルム、スウェーデン)および琉球大学と共同で、地球の40万倍を超える高い重力の下でも微生物が生育することを発見しました。今回の研究は、地球よりもはるかに大きな重力の下での(微)生物の振る舞いを初めて明確にしたと同時に、生命存在の可能性が重力によっては制限されないことを示すもので、地球外生命の探索に大変重要な寄与をすると考えられます。 この成果は、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 誌(電子版)に掲載される予定です。
世界最深の潜航能力を誇る有人潜水調査船「しんかい6500」は、1990年の完成より17年目を迎えた今春、通算1,000回潜航を達成しました。
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