培養した肺炎桿菌。塩酸のみに漬けた(左)と、ビールのみの(中央)では菌が減らないが、塩酸とビールに漬けた(右)はほぼ死滅した(松岡達臣教授提供) 「酒を飲んでアルコール消毒するか!」。いかにも土佐人が言いそうなこのせりふ、あながち間違いでないことを、高知大理工学部の松岡達臣教授(64)=分子生理学=らの研究グループが実験で示した。胃に入った細菌などは、胃酸との相乗効果によりアルコール分の低いビールや日本酒でも死滅する可能性があるという。「酒飲みのざれごととは言い切れない」と松岡教授は言う。 主に飛沫(ひまつ)感染や接触感染で拡大する新型コロナウイルスやインフルエンザなどへの効果は「不明」としている。 胃酸には、細菌などの微生物の細胞を破壊する水素イオンが含まれている。ただ、肺炎桿菌(かんきん)など一部の微生物は、厳しい環境に置かれると休眠状態になり、水素イオンが細胞壁を通りにくくなる。 実