世界初のイノベーションを起こす人はどんな努力をしているのか。世界で初めてユーグレナの食用屋外大量培養の方法を発明した出雲充さんが東京・文京区にある本郷中学校・高等学校の生徒に向けて起業時の苦難のエピソードを語り、生徒からの直球な質問に答えた――。(後編/全2回) 一流だけが知っている「0.99の459乗」の成功の方程式 59種類もの栄養素をもったユーグレナは、人間にとって素晴らしい食料源ですが、それは同時に、人間以外の生物にとっても素晴らしい食料であることを意味します。ユーグレナを大量培養するにはどうしても屋外で育てる必要がありますが、そこに紛れ込んだ生き物(その中には目に見えない菌類、細菌類も含まれます)によって、あっという間に食べつくされてしまうのです。 でも、20歳の私は、「一生の仕事」として覚悟して取り組めば、何とかなるんじゃないか、と考えました。そして、実験を始めました。 ただ、