インシデント・ゼロやヒヤリハット撲滅を目標に掲げるIT職場は数多い。だが私の経験では逆効果でしかない。現場の担当者はトラブルを隠そうとして報告を上げてこなくなる。
インシデント・ゼロやヒヤリハット撲滅を目標に掲げるIT職場は数多い。だが私の経験では逆効果でしかない。現場の担当者はトラブルを隠そうとして報告を上げてこなくなる。
「目指せ!インシデント・ゼロ」「ヒヤリハット撲滅!」──。最近このような組織目標を掲げるIT職場が増えている。 情報セキュリティやシステム品質に対する要求レベルがますます高まっている昨今。インシデント・ゼロやヒヤリハット撲滅を掲げたくなる気持ちはよく分かる。情報漏洩や品質低下が企業の信頼を一瞬にして失墜させ、ブランドイメージを大きく下げることを考えると事情は理解できる。 しかし、インシデント・ゼロやヒヤリハットの撲滅といった掛け声は、私の経験ではIT職場にとってむしろ逆効果でしかないように思える。現場では「ミスなく働く振り」が横行し、結果的に社員や関係会社の人たちを疲弊させるだけだ。 インシデント・ゼロ宣言は余計な仕事を生むだけ インシデント・ゼロを掲げたIT職場で働く社員の典型的な行動パターンを見てみよう。よほど風通しが良い組織でなければ、多くの企業では大抵こうなる。IT職場の課長クラス
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