インシデント・ゼロやヒヤリハット撲滅を目標に掲げるIT職場は数多い。だが私の経験では逆効果でしかない。現場の担当者はトラブルを隠そうとして報告を上げてこなくなる。
インシデント・ゼロやヒヤリハット撲滅を目標に掲げるIT職場は数多い。だが私の経験では逆効果でしかない。現場の担当者はトラブルを隠そうとして報告を上げてこなくなる。
読者のみなさんに簡単な問題を出したい。「トラブルが半年に一度発生するシステムと、5年に一度しか発生しないシステムでは、どちらが深刻な事態になるか」。まずは最近発生した事件について見たうえで、答えについて検討してみたい。 2017年8月29日、北朝鮮がミサイルを発射した際、Jアラート(全国瞬時警報システム)は警報を発したものの、各地で情報伝達がうまくいかないトラブルが「また」発生した。 総務省消防庁によると警報の対象は12道県617市町村だが、24市町村において情報伝達に支障が生じたという。理由は様々だが、「Jアラート関連機器の設定誤り」が5件、「登録制メール配信システム関連機器の設定誤り」が8件など、人為的ミスをうかがわせる要因が大多数を占めた。 「また」と書いたのは、Jアラートはこれまで何度も、動作不良や誤報を繰り返してきたからだ。2016年11月にも、茨城県の自治体で震度5弱の地震が発
「なぜ皆さんはプログラムに完ぺきを求めるのですか。そんなの無理に決まっているでしょ!」。某官庁の大会議室。居並ぶ大手ITベンダーの経営者や著名学者らが、システム障害ゼロを目指す取り組みの重要性を説く中、つまらなそうに聞いていたITベンチャーの若手経営者は、官僚から発言を求められ、そう言い放った。会議室の空気はブリザードに襲われたように凍りついた。 随分前の話とだけ書いておくが、当時は大規模なシステム障害が多発し社会問題になっていた。この会合は、システム障害を防ぐ抜本対策という非現実な命題を検討するためのもの。出席した誰もが内心では「そんなこと無理!」と思っていたはずだが、官僚の要請なので、出来もしない解決策を順番に開陳していた。それなのに若手経営者の発言。「そいつを言っちゃあおしまいよ」。出席者たちの心の声が聞こえてきそうだった。 この会合でどんな成果物が出来たのか記憶に無いし、過去の話を
IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)SEC(ソフトウェア高信頼化センター)は、ソフトウェアに起因するシステム障害において、類似障害の発生防止と影響範囲の縮小を目的に、障害情報の分析や対策の整理・体系化を行い、企業・業界を超えて共有・応用できる「教訓」として普遍化して取りまとめ、「情報処理システム高信頼化教訓集(ITサービス編/製品・制御システム編)」の2種類の教訓集を2014年5月13日に公開しました。 URL: http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20140513.html (ITサービス編) http://www.ipa.go.jp/sec/reports/20140513_2.html (製品・制御システム編) 電気・水道などのライフラインの制御や、金融・通信といったサービスの実現など、情報システムは今や私たちの生活や経済を支える社
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