明治の文豪・夏目漱石(1867~1916年)が住んだ熊本市中央区北千反畑町の旧居と土地について、所有者側が保存を前提に手放す意向を示していることが分かった。1世紀以上前に建てられた旧居は現在空き家で老朽化が著しく、個人での管理が難しくなっているためだ。来年は漱石が熊本に来県して120年の節目の年。意向を聞いた地元の顕彰団体は、購入に向けた寄付を募ることを検討している。(池田亮) 漱石は1896年(明治29年)4月、旧制第五高等学校(現・熊本大)に英語科教授として赴任。熊本で4年3か月を過ごす間、少なくとも6軒の借家を転々とし、同町の旧居では、1900年(同33年)7月に熊本を離れるまでの約4か月間暮らし、その後、英国へ留学している。 旧居は、敷地面積約610平方メートルで木造2階建て(延べ床面積約140平方メートル)で、漱石の書斎があったとされる2階には2部屋がある。大阪市の男性らが所有し