多忙だからといって根本的な仕事をしているとはかぎらない 先日、『リーダーシップの旅 見えないものを見る』(野田智義・金井壽宏著、光文社新書)を再々読していたときに、あらためて目に留まった言葉があります。 それは、「アクティブ・ノンアクション(active non-action)」です。行動的な不行動、不毛な忙しさ、多忙ではあるが目的を伴う意識的行動をとっていないことの意味を含む概念です。 この言い回しは、もともとは、哲学者ルキウス・アンナエウス・セネカが言及した「ビジー・アイドルネス(busy idleness)」、つまり「あくせくしながらも結果として何もしないこと、怠惰な多忙」を起点にしているのだそうです。 セネカが約2000年前の人物だということを考えると、人類の“不毛な忙しさ”問題は、古今東西を貫く一大問題なのかもしれません。 確かに私たちのビジネス生活は多忙さに追い立てられ、それが