…【新田 あや】 [名の由来,民俗] タンポポの根は辛みがあるためにイエス・キリストの受難の象徴とされ,また一般的にも辛苦の意味をもつ。英名ダンデライオンdandelionはフランス語のダンドリオンdent de lion(〈ライオンの歯〉の意)が転訛したもので,葉の欠刻がライオンの歯に似るためだという。しかしフランスでは利尿剤に使うところからピサンリpissenlit(〈寝小便〉の意)とも呼ばれる。…
古代ギリシャの哲学者カルネアデスが提起した問題。難破で洋上を漂流する者が、一人しかつかまることのできない板を他者から奪い取って生き延びた場合、この行為は正当といえるかどうかというもの。カルネアデスの舟板。 倫理学的な思考実験の一つであるが、刑法学においても格好の素材とされる。古代ギリシアの哲学者カルネアデスが問題提起した事例に関連してこの名がつけられた。洋上で船が難破した際、漂流者が、1人しかつかまれない板を、他の漂流者から奪い取って生き延びた場合、この行為は正当といえるかどうかを、カルネアデスは問うた。この事例は、今日の刑法理論によれば、自分の生命を救うためにやむをえず他人の生命を犠牲にすることが許されるかという刑法第37条の緊急避難の限界を論じたものである。そのため、緊急避難の本質や限界を論ずる際に、この事例がしばしば引用される。 このような生命対生命の場合につき緊急避難が成立するかに
※本朝麗藻(1010か)下・寒近酔人消〈大江以言〉「仰レ恩斟酌恩无レ筭、便識堯樽百姓親」 〔蘇武‐詩四首〕
中国のソーシャルメディア。ミニブログや中国版Twitterとも言われる。「微」は「マイクロ」を意味し、「博」は中国語で「ブログ」を意味する「博客」の先頭文字をとっている。中国では、Twitter、Facebook、YouTubeといった海外のソーシャルメディアが政府によって規制されている代わりに、国内企業による類似のサービスが展開されている。代表的な微博は、中国ポータルサイト最大手「新浪(sina.com)」を運営する新浪公司の「新浪微博(weibo.com)」と、国内有数のIT企業である騰訊公司の「騰訊微博」など。共に2億人以上のユーザー数を誇る。 中国国内でのスマートフォンや携帯電話の普及に伴い、微博のユーザー数は急激に増加しているが、特に最近では、高速鉄道や地下鉄の度重なる列車追突事故で、居合わせた乗客が現場の様子を写真入りで微博に投稿したことにより、改めてその存在感を示している。
日本以外の地、すなわち中国その他に略奪に行くことをバハンといい、また他国へ略奪に行く盗賊の船をバハンブネと称した。中国では「発販」「破幡」「破帆」「波発」「白波」「彭享」とバハンは発音され、日本では「番販」「奪販」「八幡」「謀叛」「婆波牟」、あるいは単に平仮名で「ばはん」があてられた。 バハンの語源については、八幡大菩薩(はちまんだいぼさつ)の信仰に由来するという説と、ポルトガルや中国などの外国語に由来するとの二つの説がある。前者は、江戸時代の1719年(享保4)香西成資(こうざいしげすけ)の『南海治乱記(なんかいちらんき)』が「わが国の賊船が八幡宮の幟(のぼり)を立て、洋中に出て、西蕃(せいばん)の貿易を侵して財産を奪った。その賊船を八幡船とよんだ」と記しているのが出所である。海上安全を祈願して八幡大菩薩の幟を立てたことは一般的な風習だが、そこにバハン船の語源を求めるのは賛成できない。外
ウニ類の正形類とタコノマクラ類がもっている口器で,口,食道,咽頭を取り囲む大小多数の骨片とそれらを動かす筋肉が複雑に組み合わされて作られており,海藻,貝,フジツボなどの餌をかじり取りかみ砕く働きをする。正形類では逆五角錐状で,5種40個の骨片と7種の筋肉から成る。V字形の最も大きな5組の骨片は顎骨(がつこつ)といわれ,内側に各1本の細長い歯を収納している。口器は突き出したり引っ込めたりされ,その運動は同時に呼吸にも役だつ。タコノマクラ類では,顎骨は大きく下端が広がり,他の骨片は小型化あるいは消失し,口器は低い台座状で突き出すことができない。この口器は左後体腔に由来する囲咽腔の中に作られたもので,棘皮(きよくひ)動物の他の群には見られない構造であることから,特異な系統的意味をもつものとされる。アリストテレスがこの口器の構造を詳しく調べて記録を残しているのでこの名が付けられた。 執筆者:原田
アメリカの映画監督。ロシアのチシナウに生まれる。1913年渡米、第一次世界大戦に映画班の助監督として従軍後ハリウッド入り、編集、脚本を経て25年監督となる。『美人国二人行脚(あんぎゃ)』(1927)で第1回アカデミー賞の喜劇監督賞を受賞。さらに、レマルクの反戦小説の映画化『西部戦線異状なし』(1930)でも監督賞を得る。愛国心に燃えて志願した青年たちの幻滅と死を厳しく描いたこの作は、凄惨(せいさん)な塹壕(ざんごう)戦のスペクタクル、巧みな音声処理と相まって映画史に残る傑作となった。ほかに『犯罪都市』(1931)、『雨』(1932)、『廿日鼠(はつかねずみ)と人間』(1939)、『凱旋門(がいせんもん)』(1948)などがあるが、第二次世界大戦後は往年の生気はなかった。 [宮本高晴] 資料 監督作品一覧裏表七人組 Seven Sinners(1925) 美人国二人行脚 Two Arabia
結婚式を挙げて教会から出てくる新郎新婦に、参列者が米粒(ライス)を振りかけて祝福すること。米は豊作や子孫繁栄の象徴であることから、新郎新婦が豊かな生活を送れるようにと願うもの。
謎の提示から解明に至る過程を書き記したものが探偵小説であるとすれば、その起源は遠くギリシャ時代に、ソフォクレスの悲劇『オイディプス王』あたりまでさかのぼる。謎解き役としての探偵が登場してくる近代探偵小説は、19世紀前半、アメリカのエドガー・アラン・ポーの探偵デュパンを主人公とする短編3編、『モルグ街の殺人』(1841年)、『マリー・ロジェの謎』(1842年)、『盗まれた手紙』(1845年)によって定礎された。なかでも、デュパンのデビュー作『モルグ街の殺人』には、天才的な探偵の行状をむしろ平均的な知性の持ち主である語り手が報告するという語りの構造(この構造は、ホームズとワトソンのコンビとして、コナン・ドイルにより継承、発展される)、怪奇で残虐な犯罪、徹底して合理的・演繹的な謎解きのプロセス、密室殺人事件、意外な犯人像、安楽椅子探偵(armchair detective=駆けずり回ることなく、
《〈和〉bargain+book》値引きして販売される新品の書籍・雑誌。自由価格本。 [補説]出版社の意思で値引きしたものをいう。書籍・雑誌は原則として、再販制(再販売価格維持契約)により販売価格が指定されており、小売店側が独自に値引きすることはできない。 書籍、雑誌は再販制度によって出版者が指定した小売価格(定価)での販売が容認されている。その定価販売は、出版者と流通業者(出版取次会社や書店)とが再販契約(再販売価格維持契約)を交わして実施されるが、それは恒久的な契約ではなく、出版者の意思で臨機応変に定価を外し非再販にすることができる。発売時から定価販売してきた書籍、雑誌について出版者が非再販と決め、値づけを流通側に任せることを時限再販という。時限再販本は、バーゲンブック、自由価格本、謝恩価格本などと店頭やインターネット上で表示されている。なお、出版者が新刊の発売当初から非再販とし、値づ
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