お前は一体何を経験した、罪人閣下? それか、私達は他の話題に変える事もできるが。 お前は…一体誰なんだ? 「…………今は外がどうなっているのでしょうか。大尉、今回の護送がどれほど難しいものなのかご存知ですよね?」 「怖くなったのか、ヘルヴィン中尉?」 「この囚人はいったい何処出身なのか気になっただけです」 「これは調査団から要求だ。私たち帝国軍には口出しする権利は無い。これがまたあの調査官が欲しがっている”貨物“に違いは無いがな」 「では、大尉、なぜ私を行かせたのですか?」 「私も気になるからだ」 濃霧に覆われたジャングルの小道、ソフィー・ヘルヴィン中尉は命令されて護送の旅に出た。 囚人車の中で大人しく座っていたのは調査団に届く秘密囚人だった。 「つまり……、それがあなたが本当に私に下した命令でしょうか?」 「そうだ、ヘルヴィン中尉。この機会にあの”調査団“を調べてみると良い」