2014年9月、本の雑誌社より、ついに『サンリオSF文庫総解説』が刊行されました。 サンリオSF文庫とは何か? それはキャラクターグッズで有名なあのサンリオがかつて出版事業も行っていた頃、1978年から1987年にかけて197冊だけ刊行された、翻訳SF専門の文庫レーベルです。 しかし、サンリオSF文庫は普通のSF文庫とはちょっと違いました。刊行リストを見ても、『ロリータ』で有名なナボコフ、ビートニクの代表ウィリアム・バロウズ、南米文学の大物カルペンティエール、シュルレアリスムの文学者アルフレッド・ジャリなど、「えっ、その人SFなの!?」という前衛作家の小説がゾロゾロ出てくるのです。 また本職SF作家のラインナップを見ても、『電気羊はアンドロイドの夢を見るか?』が有名な問題作ばかりの大御所フィリップ・K・ディックを筆頭に、『ソラリス』の思弁派スタニスワフ・レム、ニューウェーブSFの旗手トマス