山崎元さんはイタズラ小僧のような表情で「かなり久しぶりだけど、たまには、ちょっとくらいならいいよね」と言いながら、大好きなウィスキーを少しだけ飲み、とても嬉しそうに「やっぱり景気のいい人と飲む酒は美味いなぁ」と、食道がんの手術の影響で掠れてしまった声で言いました。昨年(2023年)の夏のことです。 その時点で既に1年以上の闘病を続け、ステージ4の癌であることを公表していた山崎さんは、ご自身の「持ち時間」には限りがあるから会う人も選ぶと公言していましたが、私のような何者でもない人間と合うためにわざわざ時間を作ってくださり、美味しい季節料理店に連れて行ってくださいました。 特別な話や悲しい話は一切なし。もちろん、シリアスな話もお説教臭い話もありません。食後、場所を山崎さんのオフィスに移しても、ただただ、いつもと同じような雑談と皮肉の混じったようなジョークで楽しませてくれました。 山崎さんが楽し