ドル円相場は「34年ぶりの円安」水準だと報じられている。だが、実際にはドル自身も劣化が進んでおり、34年前の1ドルの価値は今の価値とはまったく違う。しばしば「円の実力」を見るうえで使われる「実質実効為替レート」(2020年を100とした指数)は、算出が始まった1970年の75.09を大きく下回り、2024年2月には70.79を付けた。1970年のドル円レートは1ドル=360円。今やそれを日本円の実力は下回っているということになる。 この指数で円が最も強かったのは、1995年4月の194.15。当時の為替レートは1ドル=79円75銭だった。指数で単純に見ると、194.15から70.79まで64%も下落している。ほぼ3分の1ということだ。 株価はマイナスになっていると見ることもできる それだけ円が「劣化」しているのだ。大型連休で海外に出かけた旅行者が異口同音に言うのは物価の高さ。ハンバーガーが