関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働をめぐり関西広域連合は30日、慎重・反対の姿勢から容認へ大きく軌道修正した。背景にあるのは、今夏15%以上の節電が求められ「計画停電は生命のリスクがある」(仁坂吉伸和歌山県知事)という厳しい現実だ。再稼働に異を唱えるだけで電力不足を乗り切る決め手もないという限界を露呈。安全性確保のための福井県の取り組みを尊重しつつ、最終判断を条件付きで政府に委ねる形となった。(原発取材班) ■強硬から一転 関西圏の首長はこれまで「被害地元」(嘉田由紀子滋賀県知事)を訴えたり、大阪府市統合本部エネルギー戦略会議が再稼働の8条件に原発100キロ圏内の自治体との安全協定締結を求めるなど、再稼働に強硬な反対姿勢だった。 ただ、5月に入り政府の需給検証委員会は、再稼働しなければピーク時の需要に対して14・9%不足するとの見通しを確定。広域連合として15%以上