《この記事は約 7 分で読めます(1分で600字計算)》 新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国の小中高校などが臨時休校となった。そんな中でも「学びを止めない」ため、学校図書館はどのような取り組みを行っているか? また、そこにはどのような問題があるのか? 司書教諭の有山裕美子氏(工学院大学附属中学校・高等学校)に寄稿いただいた。前中後編の短期集中連載でお届けする。 改めて学校図書館を問い直す〈前編〉 学校図書館の使命とは 私は学校図書館に関わり始めて、10年とちょっとになる。公共図書館からの転身だったので、最初はその違いに戸惑うことも多かった。学校図書館といえば、学校の中にある「図書室」のことで、多くの人にとっては、児童生徒が本を借りに行く場所という認識ではないだろうか。 実は、一般の人にはあまり知られていないかもしれないが、学校図書館は、学校図書館法[1]という学校図書館に関する独立法に