制御不能とみられる中国の宇宙実験施設「天宮(てんきゅう)1号」が、早ければ31日にも大気圏に突入する。中国当局は、大部分が燃え尽きるものの「残骸や破片が地表に到達する可能性がある」と説明。有人宇宙飛行を担当する中国有人宇宙プロジェクト弁公室は29日、天宮1号は高度約196キロの軌道上にあり、31日から4月2日の間に大気圏に突入しそうだと発表した。落下物があっても、ごく一部だとしている。 欧州宇宙機関(ESA)は、日本国土の大部分を含む北緯43度から南緯43度の間で突入、落下する可能性があるとみる。落下場所や時期を絞るのは難しいが、人を直撃する恐れは「1年間に雷に打たれる確率(80万~100万分の1)の1000万分の1」(ESA)と極めて低いという。 天宮1号は全長約10メートル、打ち上げ時の重さは約8・5トン。有人宇宙ステーション建設に向けた実験などを行うために2011年に打ち上げられた。