天安門事件から一夜明けた1989年6月5日、北京市内の天安門広場に面する通りで、人民解放軍の戦車の前に立ちふさがる男性(AP) カナダのサーカス劇団「シルク・ドゥ・ソレイユ」が今月行った北京での公演で、中国ではタブーとなっている1989年の天安門事件に関する写真が会場の画面に映し出されていたことが分かった。香港紙、サウスチャイナ・モーニング・ポストが16日までに報じた。 天安門事件では、民主化を求めて北京の天安門広場に集まった学生らを当局が武力弾圧した。 同紙によると、写真が使われたのは9日の初公演。天安門事件後に大通りを進む戦車の前で丸腰の男性が立ちはだかる有名な写真が、会場内の画面に4秒間、映された。観客らは驚き息をのんだという。 劇団側は中国当局に公演内容を事前に説明、承認を得ていたといい、当局がチェックの際に見落としたとみられる。写真はその後の公演では演出から削除された。(共同)