1995年、中国・香港2時間8分。原題は「太陽がキラキラしていた時代」。監督・脚本チアン・ウェンは「芙蓉鎮」「紅いコーリャン」に出ていた俳優で、これが監督第一作。日本のつけた題名からは、赤い旗を風になびかせた軍国少年を想像させるが、これはジェームス・ディーンの青春映画を思わせるごとき映画感覚あふれた、ザクロを踏みにじったごとき青春映画だった。 悪ガキ少年がやがて16歳。自転車乗り回し、学生仲間のミーラン(ニン・チン)を恋するが彼女にもばかにされ、映画のラストはプールの飛び込み台の最上階から飛び降りて、彼女と自分たちの仲間を驚かそうとした。 というとこの映画、ありきたりの青春物と思われようが、この監督の映画精神がこの映画をまさに第一級ものにした。ぐんぐんと映画は盛り上がり、このキャメラ、このフィルム編集が映画の歌をうたうのだった。つまり見事なフィルムの流れの中に出演者を流し込み、久しぶりの本