「顔に降りかかる雨」「OUT」「柔らかな頬」「グロテスク」…先の読めないストーリー展開と衝撃的な結末で時代を生き抜く人々の苦悩や“痛み”を描き続けてきた作家・桐野夏生さん、70歳。いま女性誌を中心に桐野さんの特集が組まれて大きな反響を呼んでいます。私(ディレクター)もまた、桐野さんの物語や語られる言葉にハッとさせられてきた1人。インタビューで話を伺うと、桐野さんの言葉や作品の裏には物語で社会に抗おうとする彼女の信念や覚悟がありました。(「クローズアップ現代」ディレクター 山崎真穂) この春、ファッション誌に掲載された桐野さんの最新作『燕は戻ってこない』をめぐる特集に多くの反響が寄せられました。 「あなたに責任はないよ、と言ってあげたい」(「SPUR」より) コロナ禍で深刻化する「女性の貧困」について、その責任が本人にあるとする“自己責任論”がはびこる世の中に対し桐野夏生さんが語った言葉。4
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