作家の山口瞳さん1年前のコラムは「転職で見つける天職 『五月病』もう死語かも」だった。 ゴールデンウイーク(GW)が終わると、大型連休で長く仕事から離れていたせいか、何となくやる気が出ず、会社に行きたくなくなる。とくに新入社員は、社会人になって張りつめていた糸が切れ、眠れない、食欲がないなどの心身の不調を感じる。「五月病」は本人にしかわからず、周囲には「甘え」「わがまま」と思われてしまう。 最近は悩むより、あっさり辞めてしまうケースが多い。Z世代と呼ばれるこの年代は、幼い頃からインターネットやソーシャルメディアになじんで、独自の価値観があり、企業への執着や転職に対する抵抗も少ない。それに景気が上向きで、若い人材は引く手あまたである。