インフレがもたらすデフレの恐怖 日本の経済政策によって、現在の資源価格高騰に対応することはできない。できるのは、資源価格高騰の悪影響をいかに経済の悪化につなげないかの工夫である。 現在価格が高騰しているガソリンや食料品は典型的な必需品であり、その多くは輸入品である。必需品は価格が高騰しても消費量を減らすことは難しい。すると、必需品への支出がかさむことでその他の商品――その多くは日本国内で生産される財・サービスへの需要が減少する。国内生産物への需要減少はその製品の価格低下を促す、つまりはデフレ圧力となるだろう。2月時点の生鮮食品・エネルギーを除いた消費者物価指数(コアコア指数)は前年同月比マイナス1・0%と、まだまだデフレ状態を抜けきっていない。 また、すでに顕在化している企業物価の上昇も、国内経済へのデフレ圧力となる。国内向けの財・サービスを生産する企業も、その原材料として各種の資源を購入