常識に基づく推論は世界に意味づけをするのは得意だが、世界を理解するのは必ずしも得意ではない。しかし、われわれは常識がまさに神話のような働きをするとは思っていない。常識に基づく解釈は、人々が置かれた状況に対して都合のいい説明を与えることで、日々の営みを続けていくための自信を与え、自分が知っていると思っていることは果たしてほんとうに真実なのか、それともただの思いこみなのかと逐一悩むことから解放してくれる。 だが、その代償として、われわれは物事を理解していると自分では思いながらも、実際はもっともらしい物語でごまかしているだけだ。 ダンカン・ワッツ「偶然の科学」 安倍首相会見要旨 【冒頭発言】 首相を拝命し、きょうで10日目だ。新年を迎え、重たい使命に改めて身の引き締まる思いだ。政治の信頼を取り戻し、未来に向けた新たな国造りにまい進する決意を新たにした。 空疎な百の言葉よりも意味ある一つの結果を大