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ブックマーク / cigs.canon (12)

  • 物価の現状と展望(下) サービス価格の硬直性

    世界各国で物価が上昇している。だが日の物価上昇率は他国と比べ低位にとどまっており、デフレではないがデフレ脱却とはいえない状況が続いている。稿では第1に物価上昇率が低位にとどまる背景、第2に望ましい物価上昇率という点から、筆者の最近の研究を踏まえて議論したい。 消費者物価指数(CPI)は、消費者が購入する約500品目の価格を集計したものだ。品目は財とサービスからなる。財には卵やキャベツのような生鮮品と、カップ麺やワイシャツ、冷蔵庫のような財(除く生鮮)がある。サービスには中華そば(外)や理髪料、民営家賃のような民間サービスと、放送受信料(NHK)、診療代のような公共サービスが含まれる。 これらの価格が毎月、全国の調査員が約500の地区を訪問することで収集され、小売物価統計として公表される。物価を表す指標として最も多く閲覧されるCPIは、小売物価統計を集計したものだ。 今般、小売物価統

    物価の現状と展望(下) サービス価格の硬直性
    maturi
    maturi 2024/01/18
    経済学は物理天文熱力同様科学であり世界標準の経済学に基づく金融政策をとれば欧米と同じく2年でデフレ脱却できる。それをしない無知な日銀に教えてあげなければならない。リフレ政策を断行せよ(バーナンキバナー
  • 賃金と物価の循環を考える

    最近、政府と日銀行は「賃金と物価の好循環」という表現をしばしば用いる。例えば、植田和男日銀総裁は、9月25日に行われた大阪経済4団体共催懇談会での挨拶の中で、現在は「賃金と物価の好循環が実現するかどうかの正念場」にあるという認識を示した。また、内閣府経済社会総合研究所は4月、「賃金と物価の好循環を目指して」というテーマのフォーラムを開催した。 「好循環」という表現は、賃金と物価が相互にフィードバックしながら上昇して行くことを、政策当局が望ましいと認識していることを意味する。一方で、時計の針を大きく戻して、1970年代について見ると政策当局の認識はこれと異なっていた。 高度経済成長が続いていた1970年5月、当時の福田赳夫大蔵大臣は省内での幹部との会合で「物価上昇と賃金引き上げが悪循環にならないよう諸施策をとり、国際経済社会の中で日経済の高度成長をどう対応させるかが最大の課題である」と強

    賃金と物価の循環を考える
    maturi
    maturi 2023/11/18
    仮にインフレの加速が望ましいという立場を取れば、これは「好循環」だが、インフレの加速が望ましくないという立場を取るなら、この事態は1970年代と同じく「悪循環」ということになる。
  • 植田新日銀総裁への期待

    10年間にわたって日銀行総裁を務めた黒田東彦氏に代わって4月から植田和男氏が総裁に就任した。植田氏の名前が事前に予想されていなかったことから、この人事は広くサプライズと受け止められた。さらに筆者にとっては別の意味でもサプライズであった。植田氏が東京大学経済学部の元同僚だったからである。 植田氏について印象に残っている思い出の一つは東大着任直後のコンファレンスでのことである。戦前日の景気循環に関する筆者の論文に対する植田氏のコメントは、理論的なシャープさと視野の広さで際立っており、駆け出しの経済史研究者だった筆者に「世の中は広い」という強い衝撃を与えた。また、教授会で人事に関する審議の際に、植田氏が対象者の人物評の前置きとして「差し障りのない範囲でお話しします」と切り出して、その場の空気を一気に和ませたことがある。こうしたセンスのいいユーモアも植田氏の抜群の能力を示している。 植田氏は1

    植田新日銀総裁への期待
    maturi
    maturi 2023/04/18
    元同僚(東京大学)
  • 政府と日銀の意思疎通の透明性強化

    「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための 政府・日銀行の政策連携について 」(共同声明)を巡って、総裁・副総裁の交代時でもあり議論が盛んだ。特に物価目標を「できるだけ早期に実現」という点に注目が集まっているが、この共同声明文からその真意を探るのはむずかしい。 実際、安倍首相は緊急経済対策閣議決定後の記者会見で、安倍政権の政策の1丁目1番地は「経済の再生」とし、物価目標については、「上下でトレランスとして1%の範囲におさまるように管理をしていくことこそが、中央銀行の腕の見せどころ」(衆議院予算委員会)、「2%の物価安定ということが一応目的であるが、当の目的は、例えば雇用に働きかけをして完全雇用を目指していく、そういう意味においては、金融政策も含め目標については達成をしている」(参議院決算委員会)と言及している。他方、日銀は、共同声明の「できるだけ早期」を2年と限定し、異次元緩和に乗り

    政府と日銀の意思疎通の透明性強化
    maturi
    maturi 2023/03/08
  • プラス成長は続いているが潜在成長率は1%以下にとどまる

    2017年10月~12月の実質国内総生産(GDP)は、8四半期連続のプラス成長となった。日経済研究センターは、17年度の実質GDP成長率は内需と外需がバランスよく寄与する形でプラス1.7%になると予測している。ただし、同センターは、その後の実質GDP成長率は18年度1.3%、19年度0.9%に低下すると予測している。 この0.9%という水準は、日経済の潜在成長率を反映している。潜在成長率については、日銀行が定期的に作成し発表している。図のとおり、バブル経済であった1980年代後半の潜在成長率は4%を超えていた。それが2010年頃にはマイナスとなり、その後少し上向いたとはいえ、1%以下で低迷している。 潜在成長率は、「労働(就業者数と労働時間)と資の投入量の平均的な伸びと、それらの利用効率である全要素生産性(Total Factor Productivity)の伸びの和」として計算さ

    maturi
    maturi 2023/02/18
    2015年から2018年までビタっと水平(0.89→0.86→0.83→0.85)の潜在成長率グラフに草生えない
  • 日銀による人為的な国債バブルは継続できるのか、行き詰まるのか

    総務省が2022年8月中旬に公表した7月分のCPI総合(消費者物価指数2000年基準)は前年同月比2.6%の上昇となり、また、日銀が9月中旬に公表した8月分の企業物価指数は速報値で前年同月比9%の上昇となった。まだ国民から強い批判が出てくる状況ではないが、企業物価指数が前年を上回るのは18カ月連続であり、インフレが徐々に進行している姿を浮き彫りにした。 現在のところ、日のインフレはアメリカほど深刻な状況ではないが、それが当の意味で政治問題に浮上した場合、何が起こるのか。その時に最も難しい判断を迫られるのは、間違いなく、日銀であろう。 日銀行法の第2条では、「日銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする」と規定されており、インフレが加速し、それが国民経済の健全な発展を阻害する状況になれば、何らかの

    日銀による人為的な国債バブルは継続できるのか、行き詰まるのか
    maturi
    maturi 2022/10/14
    このミスがすごい ”パウエル議長の当時の判断は間違いで、このミスによって、アメリカのインフレ率は当初の予測とは異なり、大幅に加速してしまった。その後、パウエル議長もミスを暗黙に認める形で軌道修正を行
  • 日本の長期停滞は老害のせい?

    下の二つの散布図を見ていただきたい。対象国は、OECD加盟国(1973年時点、トルコを除く)とAsian Tigers(韓国台湾、香港、シンガポール)と中国とインド。横軸の「老人比率」とは、生産年齢を20歳から69歳として、 の期中平均。去る7月に発表された国連の人口推計から計算した。縦軸の一人当たりGDP成長率は、PWT(Penn World Table, 成長率の国際比較の定番データ)による。 図1からわかるように、1960年から1990年までの30年間は、Asian Tigersや日の人口構成は若く成長率も高かった。図の左上に位置するこれらの国々から右下のイギリスにかけて、多数の国が右下がりの傾向線の近傍に並んでいる。すなわち、老人比率と一人当たりGDP成長率の間には負の関係がある。これを「老害」と呼ぼう。(アメリカやカナダなど、第2次大戦非戦場国はこの線の下にあるが、それは19

    日本の長期停滞は老害のせい?
    maturi
    maturi 2022/10/07
    ”1990年以降、日本は老人比率が急上昇し、老害により成長が大幅に低下した。このような急速な高齢化が1990年よりかなり前から進行していた出生率の低下によることは、衆目一致だろう。”
  • 賃上げはイノベーションの妨げにはならない

    Le Mondeに掲載(2022年9月16日) この記事はアジア経済に関する月1回のコラムシリーズの1として、2022年9月16日付けの仏ル・モンド紙に当初掲載されたものである。原文は以下のURLからアクセスできる:(翻訳:村松恭平) https://www.lemonde.fr/idees/article/2022/09/16/la-feuille-de-paye-n-est-pas-l-ennemie-de-l-innovation_6141944_3232.html 二人の経済学者により、中国における賃金上昇が当国の産業の高級化に貢献したことが示された。 中国では20年以上前から賃金が大幅に上昇している。都市労働者の平均名目賃金は1998年から2020年にかけて13倍も増加した。今日、この名目賃金は平均して経済協力開発機構(OECD)以外の大部分の国々よりも高く、このことが2000

    賃上げはイノベーションの妨げにはならない
  • ウクライナ問題について その3 | キヤノングローバル戦略研究所

    1.ウクライナの議会の状況 (1)前にも書いたとおり、大統領選挙については2010年の選挙で、ヤヌコーヴィチが勝ったのであるが、2012年の議会選挙の結果、議会は親ロ派の東部、南部を地盤とする地域党と社会主義政党であるウクライナ共産党を与党とし、親欧米派であり西部と中部を基盤とする全ウクライナ連合「祖国」、ウダール、そして西部のガリツィア地方を基盤とする民族主義者の「自由」党、更に少数の「右派セクター」を野党としていた。 (注)筆者は2013年春にドイツで行われた国際会議に出席した際に、前年に行われたウクライナの選挙の結果、ネオナチが台頭したことが問題にされていたため、その後も事態を注視していたところである。 (2)この与野党の争いが激しくなったのが、2013年のヤヌコーヴィチ大統領による、EUとの提携協定調印の撤回後であり、野党側は「独立広場」に拠点を置くデモンストレーション活動に入った

    maturi
    maturi 2022/03/02
    2014  興味深い内容だが、現在はどうなってるんじゃろ
  • コロナ政策バランス考慮を

    ポイント ○経済制限は長期累積死者数を減らさない ○感染症対策はワクチン接種率が最も重要 ○人命を基準に医療と行動制限の均衡図れ 新型コロナウイルスとの闘いが始まって2年近くが経過した。ここで「ワクチン接種率の向上」「経済活動の制限」「医療提供体制の拡充」のバランスについて検討したい。ワクチンが普及しても、新型コロナとの共存は数年程度は継続すると覚悟しなければならず、年単位の時間軸と、間欠的に起きる感染爆発時という短期の時間軸の2つに分けて考える必要がある。 まず長期の時間軸で重要な事実は、ワクチン接種率が長期的な累積死亡者数をほぼ決定してしまうという点である。東京大学の藤井大輔特任講師と仲田泰祐准教授の研究(2021年9月公開)や、早稲田大学の久保田荘准教授の研究(同)によれば、経済活動に制限をかけること自体では、累積死亡者数はほとんど変わらない。これは大阪大学の大竹文雄特任教授が論考(

    コロナ政策バランス考慮を
  • 【政策提言】コロナ危機下のバランスシート問題研究会提言3 ~ウイズ・コロナ社会に向けた出口戦略~

    <ポイント> I. 基的認識 長期にわたる経済社会活動の制限により、中小企業の債務の増大、自殺者増など大きな社会的コストが発生。国民・企業の対応も限界に。ウイズ・コロナを前提に、経済社会活動を回し、国民が将来展望を持てる「出口戦略」が必要。 II. 新たな「出口戦略」の策定と断行 ➀ 全人口ワクチン接種率8割以上の実現 接種対象人口(12歳以上)の9割(=全人口の8割)の接種を目指す。 法律上、接種は努力義務であることを周知徹底し、任意というより「できる限り接種すること」を政府から求めるべき。職域や大学での接種をさらに推進するとともに、若者・外国人など組織に属さない人への接種展開策を企画・実行する。利用可能なワクチンの確保、承認を最大限進めるべき。 ブースター接種、異種ワクチン接種への道も拓くべき。 中学校、高校での大規模接種も実施すべき。12歳未満の子供を感染リスクから守るため、ワクチ

    【政策提言】コロナ危機下のバランスシート問題研究会提言3 ~ウイズ・コロナ社会に向けた出口戦略~
    maturi
    maturi 2021/10/10
    ワクチン接種について(新薬承認、ブースター等)明らかに”素人が言ってどうする”的な内容が含まれており、お前は黙っとれ概念が他にもあるのだろうと推察される
  • ノーベル賞的経済学

    毎年この時期になると、「どうして日経済学者はノーベル賞が貰えないのか」とか、「受賞者は出そうなのか」という質問を受ける。他の科学と同じく、経済学でも、査読付きの学術雑誌に載る論文が業績だ。ゴルフには四大大会(全英,マスターズ,全米,全米プロ)があるが、経済学では誰もが認める五大誌というものがある。そのような権威ある学術雑誌に掲載された論文が安打だとすると、被引用回数が千以上ある論文はホームラン、万を越えれば満塁ホームラン。満塁ホームランがないと、まずノーベル賞は貰えない。内容の良い論文なら被引用回数が増えるのはその通りだが、営業努力も重要だ。学会にせっせと出席して、引用してくれそうな人をつかまえて自分の論文を宣伝する。あわよくば暗黙の引用同盟を結ぶ。博士論文の指導教官として弟子を育てれば、彼らは伝道師となる。このような営業活動は、人材が集積するアメリカに在住しなければ困難だ。優秀な大学

    ノーベル賞的経済学
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