日本での留学・海外就労についての相談やアドバイスを見ると、「今の生活に行き詰まりを感じてるので留学したい!」、「人生リセットしたいなら留学がベスト!」などという意見を目にするのだが、十数年アメリカに住んだ経験からすると、この手の考え方は的外れどころか全く逆だ。むしろ、留学や海外就労を目指す場合、これまでの自分の経験に縛られることが増える。 1.語学のハンディと自分の強み 海外で語学のハンディを乗り越えるには自分の強みを活かすしかない。私が米国で就職するに当たり、18歳以上になってから経験した事で無駄になったことはほとんどない。数学科で6年間を過ごした事は数学科で働く上でもちろんプラスになっているし、教えるのが好きで予備校で講師を経験した事は、大学で授業する上で最も役に立っている。日本でモデリングや統計の仕事をしたことは、自分のリサーチのみならず、学生にトピックを与えて指導する上でも非常に役