カンヌで注目を浴びた『竜とそばかすの姫』 7月16日に全国416館で公開した細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』が、公開10日間で動員数169万人、興行収入24億円を超える大ヒットスタートを切った。最終的に細田守作品で過去最大ヒットの『バケモノの子』(2015)の58.5億円超えも視野にいれる好調ぶりだ。 古くから知られた『美女と野獣』に触発され、インターネットの仮想空間を舞台にした華やかな映像と音楽、そこに今日的な社会テーマを絡めた本作は、批評家だけでなく、ファンからも支持される。 作品の高い評価は日本だけでなく、早くも海外に届いている。7月6日から17日までフランスで開催された映画界の最高峰、カンヌ国際映画祭のプレミア部門の公式上映で大きな注目を浴びた。公式出品発表は映画祭開幕直前の7月4日、国内の完成報告会見が7月7日だったことから、映画完成のタイミングと合わせたスピード対応となる
アニメーション監督の細田守氏(51)が3日、東京国立近代美術館で開催中の「高畑勲展」(10月6日)でトークイベントを行った。 東映動画、スタジオジブリで経験を積み重ねながら高畑監督と交流のあった細田監督。高畑作品で一番好きなものを聞かれると、迷わず「赤毛のアン」(1979年)を挙げた。「何度も見ているが、見るたびに新しい感動がある。原作よりも好き」と絶賛した。 また細田監督が多くの映画賞を受賞した「時をかける少女」(06年)で指摘を受けたことも明かした。「『空を描き過ぎだ』と。クソ~ッと思った」と奮起したことを懐かしげに振り返った。「この展覧会は奥が深い。アニメーションとは映画をつくることであることやなぜ実写でなくアニメで表現するのかなど、いろいろ考えることを学んだ」と偉大な先輩に感謝していた。
宇垣が「アンのキャラクターも魅力的ですよね」と述べると、細田は大きくうなずきながらキャラクターデザインについて語りだす。「面白いキャラクターデザインだなと思いました。近藤喜文さんが手がけられたんですが、アニメキャラって写真をトレースしたようなリアルなものや、マンガマンガしたものになりがちなんですが、その両方のいいところが入っているんです」と述懐。「太陽の王子 ホルスの大冒険」のキャラクターデザインに話が移ると、宇垣が「私はまだ本編を拝見していないんですが、展示でいろんな方が描かれたデザインの変遷を見ていたら好きになってしまいました」と話す。細田は「観ていない!? これからホルスを観て、どういう作品か楽しめるっていうのはすごくいい! いいなあ、若い人はいいなあ」とうらやましそうに述べ、観客を笑わせた。 続けて、細田は宮沢賢治の小説を原作とする「セロ弾きのゴーシュ」で椋尾篁が手がけた背景美術に
はじめに 細田守映画には2種類ある細田守を知らないほうが楽しめる映画 デジモン、サマーウォーズ 細田守を知っているほうが楽しめる映画 バケモノの子、未来のミライ 2つの細田守らしさ描きたい内容を単純化しつつわかりやすい折り目をつけ、誰でもついていきやすい速度でありながら明確な変化を持って描かれる最大公約数的なストーリーテリング。画面を広く使いつつ視点を大きく動かさないようにする雄大なカメラワーク。日常と幻想の間に半透明の敷居を置き両者をはっきり区別しながら横へと並べる非連続的な非日常性。これがいい意味での細田守らしさ。 ショタコンにしてケモナー。自意識過剰なキャラクター。誰もが承認欲求に飢えているという断定の元に進む構ってちゃんストーリー。全てを自分の口で説明してしまう自信のなさ。ヒステリックさと寛容さの両極端。これが悪い意味での細田守らしさ。 悪い意味での細田守らしさを楽しめるか?未来の
『未来のミライ』の大きな価値のひとつは、過去の細田守作品の解釈が変わることだ。過去作はどこかで賛否は分かれる面があったが、今回は特にそうした賛否が分かれる点についてが描かれている。特に否定派ほど観たほうがいい。これまでの作品で言葉にできなかった違和感のすべてが本作にある。 否定派ほど観たほうがいい。 『未来のミライ』は一見すると理想的な家族が第二子・ミライを授かり、両親や親族の興味が4歳の長男である主人公のくんちゃんよりもミライに向かってしまう。そこでくんちゃんはミライに対して妬いてしまう。ひとりぼっちなとき、なんと中学生に成長したミライに出会う。彼女は未来から来たのか? それとも……というシナリオだ。 細田作品で頻発する賛否の分岐点 ではどこでその自尊感情がフォローされるのかというと「家族」、「血縁」だ。長い血縁の中に自分がいる。みんな同じような子供時代を生きた。きみもそうだ。だから少し
細田守監督『時をかける少女』は、2016年7月15日で公開から10周年を迎えました! ★ストーリー 紺野真琴は、あるきっかけで過去に遡ってやり直せる『タイムリープ能力』を持ってしまう。使い方を覚えると、日常の些細な不満や欲望に費やしてしまう。バラ色の日々...のはずが、親友の千昭から告白を受け動揺した真琴は、タイムリープで告白を無かった事にしてしまう。 やがてそれがとんでもない事件を招く事になり...。 ★メインスタッフ 製作:角川書店/制作:マッドハウス/監督:細田守/原作:筒井康隆(角川文庫刊)/脚本:奥寺佐渡子/キャラクターデザイン:貞本義行/美術監督:山本二三/音楽:吉田潔/配給:角川ヘラルド映画(現、KADOKAWA) ★メインキャスト 紺野真琴:仲里依紗/間宮千昭:石田卓也/津田功介:板倉光隆/芳山和子:原沙知絵/藤谷果穂:谷村美月/早川友梨:垣内彩未/紺野美雪:関戸優希
本欄も丸9年を超え、10年目に入りました。回数にして467回目。まだまだ頑張ります。今回は、私と同い年の監督(本欄第1回にも登場)の「時間」と「人生」を巡るお話。3日に閉幕した第29回東京国際映画祭の特集「映画監督 細田守の世界」の中の「作家性の萌芽 1999-2003」上映&細田監督トーク(10月27日開催)を取材してきました。 上映されたのは初期の短い作品。アニメファンの度肝を抜いた劇場デビュー作「劇場版デジモンアドベンチャー」(21分、1999年)、後の作品のモチーフがいろいろ現れる「劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!」(41分、2000年)、そして、今後も様々な機会で語られ続けるであろう名編、テレビシリーズ「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」第40話「どれみと魔女をやめた魔女」(24分、02年)など6本。時代順に上映されましたが例外は「どれみ40話」で、トリを務めまし
細田監督の運命を変えた「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」40話「どれみと魔女をやめた魔女」 - (C)東映アニメーション 人気アニメーション作家・細田守監督が27日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた第29回東京国際映画祭内の特集上映「映画監督 細田守の世界 作家性の萌芽 1999-2003 (細田守監督短編集)」に来場し、『ハウルの動く城』(2004)の苦い挫折を振り返った。 【写真】細田守監督がクビになったジブリアニメ『ハウルの動く城』 アニメファンのみならず、映画ファンにもその名前を知らしめた出世作『時をかける少女』(2006)より前に、細田監督が発表した作品を集めた本特集。『劇場版デジモンアドベンチャー』(1999)、『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(2000)、テレビアニメ「おジャ魔女どれみドッカ~ン!」40話「どれみと魔女をやめた魔女」(2002)、テ
公開当初は6館での上映……今では大人気の作品になりました!!細田守監督もしみじみ 15日、2006年に劇場公開された細田守監督によるアニメーション映画『時をかける少女』が公開から10年を迎えたことを記念して、東京国立博物館で行われた上映会付トークショーで、細田監督は10年前の初日を振り返り、「10年前の初日の時と観ている人が変化した」としみじみとした表情を見せた。 【写真】もう10年前の作品だなんて……映画『時をかける少女』 “タイムリープ”モノの代名詞とも言える筒井康隆の同名小説を基に、細田監督が原作から数十年後を舞台に新たな構想で描き出した本作。映画の舞台となった東京国立博物館で開催された今回のリバイバル上映は、当初は「博物館で野外シネマ」と銘打った屋外上映イベントになる予定だったが、あいにくの雨のため急きょ館内に会場を変更。だがトークショーには予定と変わらず、本作のメガホンを取った細
細田守監督の「時をかける少女」のLINEスタンプが、スタジオ地図より7月13日に発売された。スタジオ地図としては2015年に映画「バケモノの子」の公開を記念してリリースされた「サマーウォーズ」の公式スタンプに続く第2弾となる(関連記事)。 劇場アニメ「時をかける少女」のLINEスタンプ 「時をかける少女」は筒井康隆さん原作のSF小説を、2006年にアニメ映画化したもの。公開10周年を記念して角川シネマ新宿において7月18日から29日までの期間限定で、リバイバル上映が実施される(関連記事)。 LINEスタンプは名ぜりふの「未来で待ってる」や、真琴が青空をバックに飛び込み台から飛び出すポスタービジュアルにも使われたシーンの「いっけえええええ~‼」のほか、予知したような行動をとる友人などに送りたい「お前、タイムリープしてね?」など40種類を用意。新たに描き下ろされたオリジナルイラストも使用されて
公開10周年を記念した野外上映やコンセプトカフェのオープンなどを控え話題を呼んでいる「時をかける少女」は、筒井康隆の小説をもとにした青春ドラマ。時間を飛び越え過去に戻る力を手に入れた女子高生・紺野真琴が、“タイムリープ”を繰り返す中で、かけがえのない時間に気付いていく姿を追う。脚本を「サマーウォーズ」「おおかみこどもの雨と雪」でも細田とタッグを組んだ奥寺佐渡子、キャラクターデザインを「エヴァンゲリオン」シリーズの貞本義行、美術を「天空の城ラピュタ」の山本二三が担当している。 今回の上映では細田自身が手がけたデジタルニューマスター版を初公開。また入場者特典として、ポスタービジュアルを使用したキャビネットサイズの特製ポートレートが数量限定で用意される。配布は先着順となるので注意してほしい。
細田守監督作品『時をかける少女』(06)が劇場公開から10周年を迎える。それを記念して7月15日(金)、16日(土)の2日間、東京国立博物館にて野外上映イベント「博物館で野外シネマ」が開催される。7月15日(金)は細田守監督、松嶋雅人平常展調整室長(東京国立博物館)が登場し、16日(土)はスペシャルゲストとしてアーティストの奥華子が登場! 【写真を見る】劇場用アニメ『時をかける少女』の主題歌「ガーネ ット」と、挿入歌「変わらないもの」を手がけた奥華子 奥華子は、『時をかける少女』の主題歌「ガーネット」と挿入歌「変わらないもの」を手がけたシンガーソングライター。“10万人が足を止めた魔法の声”を持つといわれており、1年間で2万枚の自主制作CDを手売りするなど、驚異的な集客力の路上ライブが話題に。05年にはメジャーデビューを果たし、「ガーネット」で注目を集める。 今夏はデビュー10周年を記念し
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