江戸川乱歩とともに日本の探偵小説の歴史を開いたと言われる横溝正史。 「八つ墓村」や「獄門島」など、映画やドラマにもなった作品も多く、もじゃもじゃ頭によれよれのはかまでおなじみの名探偵が登場する「金田一耕助シリーズ」で、今も多くのファンを持つ。 その晩年の創作活動を知る新たな資料が複数、見つかった。 そこからは、これまでにない「本格推理小説」を生み出そうとする情熱、そして、呻吟とも言える苦悩の一端がかいま見えた。 横溝正史は、1902年、兵庫県生まれ。ことしはちょうど生誕120年だ。 1921年、短編の探偵小説「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー、その後、江戸川乱歩とともに日本の探偵小説をけん引していった。 代表作は、もじゃもじゃ頭によれよれのはかまでおなじみの名探偵が事件を解決する「金田一耕助シリーズ」だ。 横溝の創作に関わる多くの資料は、二松学舎大学が所蔵している。 日本の近代文学を研究してい
追記:整理と言いながら大分とっちらかってしまったので要約。 ・少なくとも、スマホの主観視点になっていないシーンは編集済み=虚構。ほかのシーンについては解釈の余地あり ・どこが虚構でどこが現実かについては作者にとって重要ではない。重要なのは読者が気持ちよく思い出を残すこと。 ・爆発オチや、思いつきそうな感想を先回りして潰して大量に予防線を張ることで、まじめに言及したら負けのような状態を作っている。多少の言い訳なら鼻につくところだが、やりすぎることによって逆に面白くなっている。 ■本作は五重構造になっている ①母親の最期を看取る主人公 ②を映画にして上映したが、盛大に失敗。謎の女と共にリベンジで映画作る主人公 ③の出来事を振り返る中年の主人公 ④に爆破オチを追加した主人公 ⑤という映画の体裁にしたマンガ あとは無数の映画のオマージュ、それから作者の過去作や実体験も重なってくる。 ■どこまでが虚
. 本稿は上記の文章の引用から始めることとします。この論考は2021年9月に欧州で電力市場価格がじわじわと高騰し始め、メディアでさまざまな憶測が流れた時期に書かれたものです。日本語に翻訳されていないため、日本ではほとんど知られていないかもしれません。 この時期、例えば海外メディアでも「風が止んだ後に欧州のエネルギー価格が最高記録に達した」、「欧州の再生可能エネルギーがエネルギー危機をもたらした」などのセンセーショナルな見出しの記事が見られました(引用符内の日本語は筆者翻訳)。 このような主張は日本語メディアにも徐々に伝わり、例えば「『脱炭素先進国』のスペインがエネルギー危機に見舞われている。同国の風力発電の発電量が前年同月に比べ2割減るなど欧州の風が弱まったことが天然ガス価格高騰の発端の一つにもなった」、「風力が電源構成の約2割を占めるスペインでは9月の風力発電量が前年同月比20%減。風力
最近目にする「ナラティブ」という言葉 最近ネットで「ナラティブ」という言葉を目にしませんか? 基本的には「物語」という意味のようだが。正直いまいちピンとこないことが多い。 いろんな意味で使われてない? なんか、いろんな人がいろんな意味で「ナラティブ」という言葉を使っているような気がする。どうなんだろう、気になる。 分類してみたい ということで、「ナラティブ」という言葉の使われ方を自分なりにこうなんじゃないかな〜と分類してみようと思う。 (元々の英語の意味がどう?というよりも、カタカナで「ナラティブ」と書く時に何を含意していることが多いか。という主観的なまとめです) 1. 体験者の中に作られる物語、主観的な語り ゲーム制作の文脈でよく使われる。何かを体験した結果、体験者の中に作られた物語。という意味 例えば、 RPG ゲームなどで、物語を構成する様々な要素をプレイヤー自身が時系列に体験してい
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