あの写真の男性がタモリ氏であると書かれたものをネットのどっかで見つけて裏取りをしないままにそう信じてしまったのだろう。プロの文筆業の人としてはうかつな話だが、人間誰しもうっかりということはある。自分だって当然やらかすことはある。 この文章が恥ずかしいのは、「人間、やはり売れる前と後では顔が変わるねえ」という気のきいた風な持論を加えて、人々を感心させてやろうとしたのに、男性がタモリ氏であるという大前提が崩れてしまい、騙されてるのに、格好つけて間抜けなことを言っている人みたいになってしまったことである。格安ワインを年代ものの貴重なワインであると騙されて飲まされているのに、それに気づかずにウンチクをたれている食通の人みたいな滑稽さが生まれてしまったのだ。落語の酢豆腐の若旦那のようでもある。