4月上旬、ウクライナ各地の戦場に、ロシア軍の見慣れない装甲車両がのこのこと姿を見せるようになった。T-62、T-72、T-80といった戦車に、屋根材や格子、網などの金属製外殻を取り付けた、俗称「亀戦車」である。 見た目は妙な格好をしているが、亀戦車は実は有効だ。いや、「有効だった」と言うべきだろう。というのもここ数日、ウクライナ側による亀戦車の破壊が相次いでいるからだ。戦争中に新しい技術や工夫が生まれても、それがずっともつわけではないことの実例でもある。 英国の兵器史家であるマシュー・モスは、数週間前にこうした展開を予想していた。「向こう数週間、亀戦車はさらに増殖することになりそうだが、ウクライナ側はそのうちこうした戦車とより効果的に戦うすべを見つけるだろう」 ロシア側にとって亀戦車の問題点は、この仕様は特定の技術的問題に対する技術的解決策だったということだ。特定の技術的問題とはもちろん、