人と話していて、道徳的判断って、基本的には程度を認めない0/1の判断ですよね……と言ったら意外と理解されなかったので、もしかしてこれってあまり理解されていないことなのか?と思って、ブログ記事を書くことにした*1。基本的に、倫理学に詳しい人なら知っているような教科書的な内容なので、目新しいことはない。ただ、このトピックについて知らない人が多いのであれば意義はあるのかもしれない。 0/1とは何か。まず「暑い」「寒い」「痛い」などは0/1の述語ではない。これらの述語は、比較形で用いることができ、程度を示す副詞と一緒に使うことが意味をなす単語だ。「少し暑い」「かなり暑い」「〔こちらの方が〕より暑い」などと言うことができる。一方「リンゴである」「知っている」「正円である」などは0/1の述語だ。これらの述語は比較形を持たないし、程度の副詞をつけても意味をなさない。あるものはリンゴであるか、リンゴでない