「だしをとるのって面倒じゃないの?」「だしって、むずかしそう」と、よくいわれる。「忙しいから無理」という人も多い。しかし、昆布もかつお節も、だしをとるのは簡単だ。料理研究家でないわたしでも、実体験から断言できる。わが家のだしとり法は驚くほど簡単だ。 まずは昆布だし。麦茶ポットに10グラムの昆布を入れ、1リットルの水を注ぎ、冷蔵庫に入れておくだけ。水質の関係で、関西なら一晩でOKだが、関東以北の場合はできれば二晩漬けたほうがよりしっかりとしただしが出る。 大事なのは、昆布の選び方。選び方といっても、むずかしいことは何もない。パッケージを見て、「真昆布」と書いてあるものを選ぶだけだ。真昆布を知ったのは、「分とく山」の野﨑洋光料理長によるだしとり教室がきっかけだった。野﨑氏に昆布の選び方をたずねたところ、「店で使っているのは、南茅部産の真昆布です」との返答が。しかも、わたしの実家がある札幌の真昆