新型コロナウイルス収束の切り札として期待が高まる「ワクチン」。政府は、来年の前半までに国民全員分の確保を目指す方針だ。 いま世界では、まだ見ぬワクチンをめぐって開発競争や熾烈な争奪戦が起きている。日本は、しっかりと確保できるのか?そして、私たちには、いつ届くのか? 厚生労働省医系トップを務めたキーマンを直撃した。 (安藤和馬、小泉知世) 「来年前半までに全国民に提供できる数量を確保することを目指す」 8月28日に決定された新型コロナウイルスの「対策パッケージ」にワクチン確保の目標が初めて明記された。全国民分、つまり1億2000万人余りの分を来年前半までに確保するというのだ。 ワクチンの調達には主に以下の手段がある。 (1)国内での開発・生産 (2)海外製薬会社から購入 (3)国際的枠組みでの調達 このうち、一番進んでいるのが(2)の海外製薬会社からの購入だ。 日本政府は、複数の海外メーカー