特定危険指定暴力団工藤会(北九州市小倉北区)の本丸が“落城”する-。26日、北九州市が工藤会などと本部事務所撤去で合意したと発表した。福岡県警による「工藤会壊滅作戦」から5年で会の弱体化は進んだ。県警関係者や北九州市民は「壊滅へ向けて前進だ」と評価。ただ、トップで総裁の野村悟被告(72)らの公判は10月から本格化し、県警が工藤会が関与したとみる未解決事件も残る。 壊滅作戦で工藤会と対峙(たいじ)してきた県警幹部は「壊滅に向け勢いづく」と捉えた。 「北九州市と市民による暴力団排除運動の大いなる成果だ」。県警の尾上芳信暴力団対策部長はこうコメントした。2015年1月から約1年7カ月間、本部長として作戦を指揮した元警視総監の吉田尚正氏も「本部事務所撤去は城の本丸が落ちるようなもの。壊滅に向けて大きく弾みがつく」と強調した。 県警は14年9月から野村被告ら幹部を次々と逮捕し、全面対決に踏み切った。