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ブックマーク / kamiyakenkyujo.hatenablog.com (6)

  • コージィ城倉・ちばあきお『プレイボール2』 - 紙屋研究所

    ちばあきお『プレイボール』を復活させた、コージィ城倉の『プレイボール2』。 毎巻楽しみに読んでいる。 Amazonのカスタマーズレビューを見ると、1巻が星4つで52レビュー、2巻が星3つで35レビューである(2018年2月18日時点)。 「絶賛」一色というわけではなく、賛否が分かれている状態なのがわかる。 特に2巻。 主人公であるキャプテン谷口の性格描写に違和感を持つ人が多いようだ。 何に問題があるのかと言えば,登場人物のキャラクターが初期設定と変わってしまっていることだと思う。谷口は,ひたすら頑張り,言葉で語りかけるより,ひたすら頑張り続けることでナインを引っ張っていくというキャラクターだったはずが,この当たり前のはずのことがきちんと描かれていないように思う。 https://www.amazon.co.jp/gp/customer-reviews/R5JLA4FYO99W4 谷口の性格

    コージィ城倉・ちばあきお『プレイボール2』 - 紙屋研究所
  • 『この世界の片隅に』の原作とアニメの距離――もしくは戦争についての創作はどう描くのが「成功」なのか - 紙屋研究所

    書いていたら長くなった。 先に要旨をまとめておく。 マンガ『この世界の片隅に』は前半が戦前・戦時の日常の描写、後半が主人公の心象であり「記憶」と「想像力」をめぐる物語である。他方、アニメ「この世界の片隅に」は、戦前・戦時の日常をそのまま再現・保存することにしぼられた作品であり、原作のもつ後半部分は後景に退いている。両者は別々の作品(別個の価値をもつ作品)である。 戦争小説戦争をめぐる創作(マンガ・アニメ・映画・ドラマ・演劇…)は手法と題材を選ぶことで、何かを強調し、何かを切り捨てるので、どんな作品であっても批判は呼び起こされる。多様な書き手が多様に描くことでしかこのジレンマは解決されないのではないか。 以下は、映画・原作のネタバレが含まれている。 「暗い」「つらいから読みたくない」と「楽しくて何度も読み返したくなる」 「女性のひろば」という雑誌(共産党発行)の2017年1月号に「『この世

    『この世界の片隅に』の原作とアニメの距離――もしくは戦争についての創作はどう描くのが「成功」なのか - 紙屋研究所
    shigak19
    shigak19 2017/01/08
    映画版と漫画版の差異を鋭く分析し、戦争文学・戦争漫画というジャンルの問いまで拡張している点でこれもまた力作
  • 篠原ウミハル『図書館の主』 - 紙屋研究所

    『モジャ公』を与える 4歳の娘に「マンガの英才教育」を施そうと、全集版で出た藤子・F・不二雄の『モジャ公』を買い与えた。この寒いのに、「早くフロに入りなさい」という親の忠告もそっちのけで、脱衣場で裸になったまま『モジャ公』を広げて読みふけっている。 母親であるつれあいは、マンガに夢中になる娘にイヤな顔である。絵を読まなくなったらどうしよう、というわけだ。 そういえば、保育園の先生たちはどう思うんだろう、と考えた。 連絡ノートに「昨日、娘にYouTubeでSMAPの『ベスト・フレンド』を聴かせていると…」と書くと「電子音はまだ早いので、大きくなってからの楽しみにとっておきましょう」と書いてくるほど、「発達段階にふさわしい保育」への強烈なこだわりがある。もちろんわが娘の担任だけでなく、園全体の方針だ。 「文集ではテレビやアニメキャラクターの話題は書かないでください」とか「歯ブラシやコップには

    篠原ウミハル『図書館の主』 - 紙屋研究所
    shigak19
    shigak19 2016/12/10
    絵本、子どもの世界に軸を置いた評
  • 『シン・ゴジラ』を観てきた - 紙屋研究所

    以下、ネタバレあり。 『シン・ゴジラ』を一家でみる。 一言で言って、娯楽作品として大いに楽しんだ。 ゴジラが津波と原発を想起させる存在だと思いながらも、ゴジラによるドハデな破壊、ゴジラの制御不能ぶりに右往左往しつつアタックを繰り返す様子を、ワクワクしながら観たのである。ハリウッドのアクションを観る感覚に近い。 特に第4形態への変態を遂げたゴジラが巨神兵よろしく街を滅ぼし尽くすエネルギーを四方八方に放射し続けるシーンは、「ドキドキしてスカッとした」(小並感)。一瞬「あ、だいたいおさまったかな…?」的に安心しかけたところにゴジラのこの異例の攻撃。街が壊されまくるのに何もできない。「手の施しようがない」という感覚がぼくの中に起こり、(娯楽的な意味で)戦慄が走った。 唐突に白状するが、ぼくはテレビシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』の中で第拾話「マグマダイバー」と 第拾参話「使徒、侵入」が圧倒的に

    『シン・ゴジラ』を観てきた - 紙屋研究所
  • Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』 - 紙屋研究所

    ※少しネタバレがあります。 面白い。 このマンガの面白さを支えているのは何だろうと考えた。 バレエマンガである。 主人公の有谷奏(ありや・かなで)が幼いころに見に行った近所の「おねえちゃん」のバレエ舞台に魅せられて、バレエを始めるところから物語がスタートする。現在5巻まで出ているが、奏のバレーダンサーとしての成長を一歩一歩描いていく、いわば「王道」ともいえるビルドゥングス・ロマンである。 このマンガの面白さを支えている一番の要素は、やはり主人公・奏のあまりにも一途なひたむきさ、というか、成長への貪欲さである。「貪欲」という、やや狂気じみたニュアンスを含む言い方がぴったりくる。 才能はそれなりにある。しかし「天賦」というほどではない。そうしたスタート地点であることをライバルたちとの比較の彫琢によって浮かび上がらせつつ、何よりも他人の技、美点、優れたところを貪欲というほどに観察して盗みとってい

    Cuvie『絢爛たるグランドセーヌ』 - 紙屋研究所
  • 映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所

    宮崎駿監督の『風立ちぬ』を観た。お盆で帰省し、子どもを見てもらっている間に夫婦で。 ちょっと長くなると思うので、最初に結論書いておこうか。 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた。 飛行機にかける夢についてはロジックがまったく詰め切れられておらず、面白くなかった。 零戦をつくった責任について無邪気すぎるという点が最大の批判点。 えーっとネタバレもありますから、読む人は承知して読んでほしい。 あらすじを知らない人はここを読まないだろうけど、一応。零戦(零式戦闘機)の設計者として有名な堀越二郎という実在の人物の半生を描き、それに堀辰雄の小説『風立ちぬ』のラブストーリーをまじえ、菜穂子という少女との恋愛をからめて虚構化した作品。 ジブリの公式のあらすじ解説はこちら。 http://kazetachinu.jp/story.html 恋愛要素は男目線で気持ちがノッた 菜穂子との恋愛は、(;゚∀゚)=3ム

    映画「風立ちぬ」を批判する - 紙屋研究所
    shigak19
    shigak19 2013/08/19
    零戦と特攻隊について、「1機も帰ってきませんでした」とつぶやくのが良くも悪くも二郎であり、それが宮崎作品であって、「1人も帰ってきませんでした」と言うような映画にしろという風に批判しても意味はないのでは
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