むへどるり @muhedoruri デザインオフィス『ぼどしゅやスタジオ』代表。表紙デザインをメインに活動中。イラスト・キャラデザ・コピーライティング・ロゴ・カバー・帯その他デザイン承っております。見積依頼などありましたらまずはDMください! #三人婚パートナー探索中 #精子提供 pixiv.net/users/142973 skeb.jp/@muhedoruri
宮﨑駿による『不思議の国のアリス』(もしくは宮沢賢治の童話)とでもいうような、イマジネーションの破茶滅茶なまでの躍動。『千と千尋の神隠し』以降の作品に見られた傾向がさらに押し進み、ストーリー・テリングとしては、明らかに混乱している。しかし、それは宮﨑駿の“世界”に対する誠実な態度であるように思う。シンプルで明瞭なストーリーで語り切れるほど、この複雑で暗澹たる現代は生易しくないし、そもそも人間というのはそんなに簡単なものではない。たとえば、この映画における主人公の父親。彼にいい印象を持つ観客は多くないだろう。転校初日に車で学校に乗りつけたり、子どもの喧嘩に介入したりするさまなどは、まさにエーリッヒ・ケストナーが『飛ぶ教室』で書いた大人への批判がそのまま当てはまる。 どうしておとなはじぶんの子どものころをすっかり忘れてしまい、子どもたちにはときに悲しいことたみじなことだってあるということを、あ
全てのアニメーター、いや鑑賞者を含めアニメに少しでも関わった全ての人間はジブリコンプレックスなのではないだろうか。そのコンプレックスの集大成がこの作品だ。宮崎駿の各作品からイメージをほぼそのままトレースしたもので敷き詰めるという、よく言えばヒップホップ的な、しかし、どう考えても幼児的な感性でもって、新たな物語を再構築している。そのトレースはキャラクターデザイン(後半になるにつれその疑似度は加速していく)や建築や背景美術はおろか、ロボット兵や飛行石やフード理論といったジブリの専売特許とも言える領域にまで及ぶ。更には”寒くて震える”だとか”タオルでふいてあげる"、といった仕草ひとつひとつにまでオマージュが捧げられていて、これはもう記憶レベルでジブリな作品で、あまりのてらいのなさに鑑賞中にクラクラすることしきり。 こういった指摘に対して、「ジブリからの影響は自覚しているが、どっちかというと東映ア
会社を途中で抜けて、『君たちはどう生きるか』を観て、そのまま用事を二つこなして夏祭りまで行って疲れているので、つらつらと書く。 想像していた通りだが、アニメーションとしては面白くなかった。『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』もそうだったが、『千と千尋の神隠し』の大成功以降、宮崎駿はストーリーにあまり興味がなくなったように思える。 話の流れが不自然でも、迸るイメージが素晴らしければ確かに一つの作品になりうる。(五十嵐大介の『はなしっぱなし』はまさにそういう作品だろう。) ただ、そういう作品は想像力が衰えた後ではなく、衰える前の若い頃にやるべきではと思う。 前半の豪邸の背景描写はよかったものの、後半のファンタジー描写は、他人の宴会に突然参加させられたような居心地の悪さを感じた。 それでもなお、本作を観ていて凄まじいと思ったのは、宮崎駿のマザコンとエゴイズムだ。 誰だって自分のことを良い人間とし
会社を途中で抜けて、『君たちはどう生きるか』を観て、そのまま用事を二つこなして夏祭りまで行って疲れているので、つらつらと書く。 想像していた通りだが、アニメーションとしては面白くなかった。『ハウルの動く城』『崖の上のポニョ』もそうだったが、『千と千尋の神隠し』の大成功以降、宮崎駿はストーリーにあまり興味がなくなったように思える。 話の流れが不自然でも、迸るイメージが素晴らしければ確かに一つの作品になりうる。(五十嵐大介の『はなしっぱなし』はまさにそういう作品だろう。) ただ、そういう作品は想像力が衰えた後ではなく、衰える前の若い頃にやるべきではと思う。 前半の豪邸の背景描写はよかったものの、後半のファンタジー描写は、他人の宴会に突然参加させられたような居心地の悪さを感じた。 それでもなお、本作を観ていて凄まじいと思ったのは、宮崎駿のマザコンとエゴイズムだ。 誰だって自分のことを良い人間とし
なぜ漫画版「ナウシカ」は、希望に満ちたエンディングで大ヒットした映画版とはまったく異なる物語になってしまったのか。漫画連載当時、ジブリのプロデューサー・鈴木敏夫氏は宮﨑駿監督に「映画を見て感動した人への裏切りでは」と抗議したという。サブカルをテーマとする評論家としても有名な朝日新聞の太田記者が、原作漫画「風の谷のナウシカ」の謎、そして、宮﨑駿の生命観に迫る第2弾!(第1弾はこちら) ◆◆◆ 漫画版は「映画への裏切り」か いったい、この世界はこれからどうなってしまうのか……」。1994年に完結して以来30年近く。宮崎駿監督の漫画「風の谷のナウシカ」全7巻を読み終えた人々の多くは、半ば呆然としつつ、そんな思いに囚われてきたのではないだろうか。 1984年に公開された映画版「ナウシカ」の結末には、明快なカタルシスがあった。「風の谷」を襲った危機はナウシカの自己犠牲で回避され、ナウシカ自身も王蟲の
スタジオジブリが1994年に制作した長編アニメーション映画『平成狸合戦ぽんぽこ』。高畑勲監督が原作・脚本・監督を務めた同作品は、どのような経緯で生まれたのだろうか。ここでは、鈴木敏夫氏の責任編集のもと、スタジオジブリの40年の軌跡を記した『スタジオジブリ物語』(集英社新書)より一部を抜粋・再編集して紹介する。 『平成狸合戦ぽんぽこ』 © 1994 畑事務所・Studio Ghibli・NH ◆◆◆ 「豚」から「タヌキ」へ TVスペシャル『海がきこえる』に続き、新スタジオで初めて制作されることになった劇場用作品は『総天然色漫画映画 平成狸合戦ぽんぽこ』に決まった。 『平成狸合戦ぽんぽこ』のパンフレットに「鈴木プロデューサーが語る『平成狸合戦ぽんぽこ』 企画からシナリオ着手まで」と題されたインタビューが掲載されている。 それによると『平成狸合戦ぽんぽこ』の企画の源流は、1989年まで遡ることが
宮崎駿監督の新作「君たちはどう生きるか」ポスター=スタジオジブリのTwitterより 「私自身、訳が分からない」 「おそらく、訳が分からなかったことでしょう。私自身、訳が分からないところがありました」。 2023年2月下旬、東京都内のスタジオで上映された、「君たちはどう生きるか」の初号試写。米津玄師の歌うピアノバラードが流れ、エンドロールが終わった瞬間、灯りが点き、宮崎駿監督のコメントが読み上げられた。 客席から軽い笑い声が漏れた。私もその一人だった。あまりの展開の速さと、盛り込むだけ盛り込まれた情報を消化しきれず、茫然と座り込んでいたが、その言葉で我に返った。 これは「宮崎アニメ」の集大成なのか、吉野源三郎の著書『君たちはどう生きるか』の再解釈なのか。とにかく、1回見ただけではとても全容を把握できなかった。 「自分のことをやるしかない」 今回の作品は、公開前のプロモーションも、メディア関
♪ポ~ニョポ~ニョポニョさかなの子……という、子どもらしい歌声がかわいかった「崖の上のポニョ」。2008年公開のスタジオジブリのアニメ映画の主題歌で、子役の大橋のぞみチャンと、2人組おじさんユニット「藤岡藤巻」の3人が担当していた。パペットを持って歌っていた藤巻直哉さん、今、どうしているのか。 ◇ ◇ ◇ 藤巻さんに会ったのは、東京は恵比寿。「崖の上のポニョ」を歌っていた頃は博報堂勤務の会社員だったが、今はエンタメビジネスの会社を立ち上げ、恵比寿に拠点をもっているとのこと。自転車にまたがってさっそうと現れ、まずはこう言った。 「お待たせしてすみません。出がけに長い電話がかかってきたもんだから」 藤巻さん、忙しそうだ。 「10年前に定年退職し、今はグループ会社全体のメディアコンテンツ部門を担う博報堂DYメディアパートナーズと業務委託契約を結びフェローを務めています。アドバイザリースタッフ
宮崎駿監督・高畑勲監督と久石譲、30年に渡る共同作業を振り返る 【日本の映画音楽家】久石譲(1) キャリア初期には現代音楽~ミニマル・ミュージックの旗手として知られ、その後はクラシックからポップス、映画音楽、CM音楽まで幅広い分野で活動を展開。近年は指揮者として純クラシック作品にも意欲的に取り組んでいる久石譲。ここでは彼の仕事でも特によく知られているスタジオジブリ作品の代表的な5作品にフォーカスし、宮崎駿・高畑勲両監督との30年近くに渡る共同作業を振り返りたい。 ・映画音楽家・坂本龍一のキャリアは『戦場のメリークリスマス』から始まった ◎『風の谷のナウシカ』(1984年) 2013年の『風立ちぬ』まで続く宮崎駿と久石譲の共同作業の原点。『風の谷のナウシカ』の音楽の候補には、もともと細野晴臣、坂本龍一、高橋悠治、林光といった音楽家の名が挙がっていたという。中でも細野晴臣は、公開に先立ってイメ
飛行機が大好きで、テトのぬいぐるみがお気に入りの2歳児が何度も見ている映画、「風の谷のナウシカ(1984)」における描写について、私なりの解釈をまとめました。 1. はじめに 2. 背景の整理 [腐海の森] [巨神兵] [ペジテ] [トルメキア] [風の谷] 巨神兵をめぐる戦い 3. エンディングの描写の振り返り 4. ナウシカの研究成果 (1)ナウシカの発見 谷での生活で既に判明していたこと 地下の研究室でわかっていたこと 腐海の底で判明したこと (2)ナウシカの解決策 (3)その後の風の谷の発展 5. 「蒼き清浄の地」とはどこか (1)それでも腐海は広がり続ける (2)ラストの「葉っぱ」は何なのか? (3)アスベルとユパの旅の目的 6. [補足1]ナウシカ・レクイエムを歌っていたのは誰? (1)触手ぐるぐる巻きのシーン (2)ナウシカ幼少期のシーン (3)金色の野を歩くシーン 考察 -
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