以下の記事に触発されて書いた。「学力や偏差値とは無関係」としているが、学力と学習態度には少なからぬ関連があるためこの記事も多少は参考になると思う。ちなみに、大学生の質の変化を調べたものとしては既にベネッセの「大学生の学習・生活実態調査」があるため、本当に大学生の質的変化を議論したいのであればそちらを参照した方が良い。 Ⅰ.大学生の偏差値換算 少子化と大学進学率の上昇は誰もが知っている事実であり、この二つから導かれる帰結は大学生のレベル低下である。そこで、『学力低下は錯覚である』(神永, 2007, p.41)に記載されている偏差値換算式の説明をする。やっていることは単純なので統計学の知識はそれほど必要ではない。 換算式 ここでは換算したい年度の偏差値、は基準となる年度の偏差値、はの年度との年度の人口比である()。ただし、大学の定員数は一定とする。この式の意味を出来るだけ直感的に説明する。